欅坂46、“破壊と再生”によって進化していくグループに 東京ドーム公演から現在までを振り返る

“欅坂だからこそできること”

 菅井はブログで「欅坂だからこそできることをもっと追求して行きたいです」とグループの今後について語っている。確かに、表題以外でも勝負できるのは彼女たちの強みのひとつだ。そして、YouTubeの公式チャンネルに公開されているダイジェスト映像でも確認できる通り、こだわり抜いた演出も彼女たちならではの魅力だろう。薄暗い会場に現れた平手友梨奈が、ゆっくりと辺りを見渡しながら神妙な面持ちでピアノの前に立ち、一音だけ鳴らす印象的なオープニングはこれぞ欅坂46といった開演の仕方。「もう森へ帰ろうか?」での幻想的な光の演出は欅坂46によく合っている。「不協和音」で大歓声を起こせるのも、彼女たちだからこそだろう。こうした演出は披露するだけならどのグループでもできる。しかし、欅坂46だからこその説得力というものは確実にあるだろう。『MUSIC STATION ウルトラSUPER LIVE 2019』(テレビ朝日系)での「黒い羊」のパフォーマンスなどはその最たる例だ。

「欅坂46 LIVE at 東京ドーム ~ARENA TOUR 2019 FINAL~」ダイジェスト映像

 グループならではのライブ作り、楽曲、演出……。本作に収められたライブ映像を見れば、“欅坂だからこそできること”を今一度考え直すことができるだろう。そして、今後の欅坂46はそうした点をより突き詰めていくに違いない。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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