DracoVirgoが語る、HIGH and MIGHTY COLOR再集結で生まれた最新の琉球メタル「念願の“1stベストアルバム”ができた」

DracoVirgo『Opportunity』インタビュー

DracoVirgoで音を出したら、その曲はDracoVirgoになる

アルバム『Opportunity』(初回生産限定盤)

ーー5曲目の「FLY」も、mACKAzさんが曲のもとになるものを用意したそうですね。

mACKAz:DracoVirgoではこれまでストレートなギターロック調のものがあまりなかったので、そういうものをつくりたいと思っていたのと、シンプルに僕が「8分でベースを刻みたいな」と思ってつくった曲です。

ーーこの曲はSASSYさんのマシンガンのようなブラストビートも印象的です。

SASSY:久々のBPM200オーバーで「やべえな」と思いました(笑)。ただ、僕の場合はもともとそういう音楽で育ってきたので、レコーディング自体はこれが一番スムーズに進んだと思います。その「パッ!」と録った雰囲気が、楽曲の疾走感にも繋がったと思います。

ーーMAAKIIIさんはどんなことを感じながら歌詞を考えたり、歌ったりしたんでしょう?

MAAKIII:この曲は、リリックを書くのにかなり時間がかかった曲でした。mACKAzが持ってきたものがストレートなタイプの曲だったので、それをよくある曲ではなくて、「DracoVirgoの今を見せられる曲」にしたいと思っていて。でも、私はもともとあまり考えて曲をつくるタイプではないので、考えはじめると結構悩んでしまって、最終的にできたのは歌入れの直前だったと思います。「ピアノを入れてほしいな」とリクエストして、そのピアノが加わったものを聴いていたら、そこから言葉がこぼれてきた感覚でした。

ーー「FLY」は〈羽ばたこう〉という言葉が印象的ですが、これはどんなふうに出てきたものだったんでしょう?

MAAKIII:やっぱり、サウンドから呼ばれるんですよ。それこそ、SASSYのマシンガンみたいなブラストビートもそうですし、mACKAzが最終的に行きたいと思っている曲の方向性も見えていたので、そこに「行きたい!」と思っていたら、飛び立っていた感覚でした(笑)。たぶん「Rainbow Butterfly」から繋がっていると思いますけど、夜空の美しい風景がイメージできたので、その「Butterfly」の部分が強調されている曲なのかもしれないです。

ーー続いて、7曲目の「Oh Eh Oh」はどうですか?

MAAKIII:この曲は、私たちがプロデューサーチームのアイデアに乗って、自由に楽しませてもらった曲ですね。

ーーアコースティックギターの音と、エディットされた音が同居しているのが印象的です。

SASSY:トラックがめちゃくちゃかっこいいので、それを聴いてアガッた気持ちを、僕らのパートにも反映させました。ただ、もとの曲がいいので、気を抜くと自分たちの個性を出せないと思ったので、僕の場合はアルバムの中でも一番フィルを入れていきました。

MAAKIII:私の歌も、色んな発見がありました。私は基本的に日本語でしか歌詞を書かないですし、メロディも、普段は「FLY」にあるような歌謡曲らしさが自然に出てくることが多くて。でも、この曲はそれとは対照的で、もっと今っぽい要素が前に出ていますし、歌詞にも英語が入っていて、普段はやらないアプローチで。勉強になったし、曲としてストイックな挑戦があって、私たち自身すごく楽しめました。

ーーこの曲のMAAKIIIさんのボーカルは、音程をあまり上下させずに、細かく音を動かしていくアプローチになっていますね。ある意味ブラックミュージック的と言いますか。

MAAKIII:そうですね。自分からは出てこないので楽しかったです。ライブでも、みんながすんなり受け入れてくれたので、「DracoVirgoで音を出したら、その曲はDracoVirgoになるんだな」ということが自然に分かった曲でもありました。

「RYUKYU」を沖縄の新しいパワーソングとして歌いたい

ーーそして9曲目の「RYUKYU」では、先ほどのお話でもあったユウスケさん(Vo)、MEGさん(Gt)、カズトさん(Gt)が参加して、約10年ぶりにハイカラの初期メンバーが集結しました。

MAAKIII:声をかけてみたら、「やるよ!」と返事をしてくれて、すぐ集まってくれました。

SASSY:本当に軽い感じで来てくれたので、すごくありがたかったですね。

MAAKIII:音楽的には、思う存分私たちのルーツを発散した琉球メタル~プログレになっています。

ーーこの曲で久しぶりに初期メンバーが集まったのは、どんなきっかけだったんですか?

SASSY:最初はそういうアイデアもなくて、メロディもない状態で、今回ディスク2にはいっている曲の最新版的な、インストの曲にしようと思っていたんです。そうしたら、途中でMAAKIIIが「沖縄っぽい要素を加えたい」と言いはじめて。ちょうどそのときに、もともとアルペジエイターで打ち込んでいた音をギターに差し替えて、ギターインストにしようというアイデアが出てきたんです。その音の雰囲気が、ハイカラの前身バンドのアンチノブナガ(MAAKIII以外の ハイカラの初期メンバーで結成)っぽさも感じられる曲になったので、「久しぶりに集まってみるのはどうかな?」と提案しました。ちょうどギターのMEGに、この曲に入っている沖縄の三線のような音のアレンジで相談に乗ってもらっていたから、そこにMAAKIIIから「沖縄の民謡や名曲のメロディを引用してみるのはどうかな?」というアイデアが出てきて――。

ーー僕は今回初めて知った曲だったのですが、この「RYUKYU」には、沖縄の有名な楽曲「かなさんどー」と「花ぬ風車(はなぬかじまやー)」が引用されていますよね。

MAAKIII:アルバムがだんだん形になりはじめたときに、ちょうど私は沖縄に帰ったんですよ。それで、久々に首里城を全身で感じてきて。ちょうどそのタイミングで、東京にいるメンバーやスタッフとアートワークのことを電話で相談していて、目の前に首里城が見える広場で、「首里城を思わせるアートワークにしたい」と話をして。そうしたら、デザイナーさんも「今ちょうど首里城の写真を見てた」と言ってくれて、「これは間違いない」と思って沖縄の要素を加えてもらいました。その一週間後ぐらいに、首里城の火災が起こったんです。

ーー昨年10月の大規模な火災ですね。あの一週間前のことだったんですか。

MAAKIII:そうなんです。MEGのスタジオがあるのは首里城の目の前なので、この曲の三線のアレンジを入れているときに、目の前で首里城が燃えている様子を見たみたいですよ。

SASSY:僕らは首里高校出身で、小さい頃から首里城を見て育ってきたんですよ。

MAAKIII:そうやって、小さい頃から色んなことを感じながら見ていたものが燃えるというのは大きな経験で。でも、令和という新しい時代になったこのタイミングで、むしろこの曲を沖縄の新しいパワーソングとして歌いたいな、と思いました。それでメロディを考えていたら、「かなさんどー」のメロディと歌詞がふっと浮かんできました。「かなさんどー」は、「いとしい人よ、私は忘れないぞ。想っているぞ」という歌詞の曲で、私は沖縄のスピリットが感じられる曲だと思っていて。一方で、「花ぬ風車」は沖縄で100歳のお祝いをするときの歌で、「どうぞ尊い人たち、ご覧ください」という部分を引用したことで、沖縄の神々に向けても歌うようなものになったのかな、と思います。

ーー「かなさんどー」の歌詞は、沖縄への思いに加えて、この曲で集まったハイカラの初期メンバーにも向けられているように感じられますね。

MAAKIII:そうですね。あと、この曲には本場のエイサーの方たちの掛け声を入れてもらっていて、レコーディングの最終日に偶然来てもらえることになりました。その日たまたま東京に来ていて、「14時までなら時間がある」と言ってくれたんです。

SASSY:僕の沖縄時代から親しいミュージシャン仲間で、たまたま東京に来ていたんですよ。めちゃめちゃパワーをもらいました。

MAAKIII:「RYUKYU」は、そんなふうに色んなエネルギーが集まってできた曲ですね。

ーー曲自体は、まさに琉球プログレメタルというか、沖縄の民族音楽的な雰囲気からはじまって、1曲の中でどんどん音楽性が変わっていくかなり複雑な構成になっていますね。

MAAKIII:そういうところにも、沖縄の県民性が表われている気がします(笑)。最初は朗らかでほのぼのとしたイメージかと思いきや、実はめちゃくちゃ激しい。

mACKAz:(笑)。

MAAKIII:「泡盛を飲んだら人変わっちゃうよね」という……!(笑)。

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