『YG宝石箱』から誕生のTREASURE、デビューへ寄せる期待 YGエンターテインメントにとって新たな試みに

 また、今回の正式デビュー発表の時点では、TREASUREのメンバーには要求していなかった作詞作曲についても言及されており、デビュー延期となった間もメンバー自身が制作した楽曲が評価を得たという理由で、制作にもメンバー自身が携わることになったことが発表された。これは、TREASUREが“ビジュアル重視”のグループとして結成されたものの、結果として“ビジュアル良し、スキル良しのハイスペック集団”としてデビューすることの発表だったと言っても過言ではない。しかし、これまでのYGエンターテインメントのアーティストのスタイルが12人もメンバーがいるTREASUREにそのまま適用できるかは、別問題だ。同じ容姿端麗のアーティストでもBLACKPINKは4人と少人数で、それぞれの個性がわかりやすかったが、12人全員が個性を発揮できるステージはどんな状況であっても難しいだろう。また、TREASUREの前身グループ・TREASURE13についてYGエンターテインメントのヤン・ヒョンソク代表は、「グループが7人以上で構成されると、メンバーが歌に参加できる限界が存在する」という考えを表明していた。それを踏まえると、TREASUREは元々全員が平等に個性を発揮できる場として準備されていなかったと考えられ、これまでのYGエンターテインメントのアーティストとは明らかに異なる特徴を持つことが期待される。TREASURE13は7人で構成されるTREASUREと6人で構成されるMAGNUMの合同活動として発表されていたが、今回の発表ではTREASUREとして統合されることが明らかになった。12人のメンバーが所属するTREASUREとYGサウンドの組み合わせに関しては未知数であり、パフォーマンスのスタイルとして“群舞”に挑戦する可能性も大いにあるだろう。

 TREASUREはYGエンターテインメントのグループの中では圧倒的にアイドル性の高いグループになりそうではあるが、同事務所に所属するアーティストに見られる特徴として年間のリリースが他事務所に比べて控えめなことが懸念される。つまりTREASUREのアイドル性を存分に発揮するためには、YGエンターテインメントが大手事務所として培ってきた能力とは別のプロモーション方法が求められるだろう。謎のベールに包まれているTREASURE。彼らをプロデュースする制作陣の狙いを知れるのはもう少し先かもしれない。

■momotoxic
ブロガー。自称”楽曲派”。Twitter:@momotoxic1006

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