ドリカム 中村正人×よみぃ『太鼓の達人』特別対談 超難関曲「あなたとトゥラッタッタ♪」の秘密に迫る

中村正人×よみぃ『太鼓の達人』対談

中村正人、マスター音源で「あなたとトゥラッタッタ♪」を解説

ーーできれば、よみぃさんに「あなたとトゥラッタッタ♪」の裏譜面を実演してもらいたいのですが……。

よみぃ:え、ホントですか……? できるかな……。

中村:よみぃでも恐れるくらいの難しさなんだ?

よみぃ:かれこれ10年くらいプレイしてますが、「あなたとトゥラッタッタ♪」の裏譜面はできるかどうか不安ですね。

中村:やってよ。お願い。

よみぃ:マサさんがそう言うなら、わかりました。僕に任せてください!

(よみぃ、備え付けのバチでプレイ。ロール処理も完璧にクリアし、見事にフルコンボ達成!)

よみぃ:やった! これが太鼓の達人マスターだ!

中村:すごいね!

よみぃ:よくフルコンボできたな……。

ーー中村さんは、「あなたとトゥラッタッタ♪」が「太鼓の達人」で盛り上がっている状況に対して、どう感じていますか?

中村:最初に「ドリカムに謝れ」のツイートの話をしたけど、ぜんぜん謝る必要はなくて。いまはオリジナル音源を使ってもらってるんですが、その前のバージョンもしっかり(原曲のアレンジを)コピーしてくださっていたんですよ。じつは今日、マスターの音源を持ってきたんですけど(とパソコン上のデータを見せる)。

よみぃ:すごい! こんなにトラックを使ってるんですね。

中村:そうそう。これがキックの音で、こっちがスネアの音なんだけど、これだけでも「太鼓の達人」の音源に近いでしょ。

よみぃ:ホントですね。ドンだーのみんな! このスネアのロールは本来、ドラム用の細いスティックで演奏するものなのに、我々は太いバチでやっているんだ!

プレイしたときに挑戦しがいのある曲を書こうとする

中村:(笑)。間奏パートのリズムも、原曲のアレンジに忠実なんですよ。よみぃは音ゲーの曲を作ってるけど、プレイすることを考えて作ってるの? それとも、単純に作りたいものを作ってる?

よみぃ:いまのマサさんの話でいうと、フラットに自分が作りたいものを作ってますね。「D’s Adventure Note」(よみぃが15歳のときに発表し、「太鼓の達人」に使われたオリジナル曲)は、人生で初めて作った曲なんです。

中村:そうなんだ。何の機材を使ったの?

よみぃ:DAW(Digital Audio Workstation)の30日無料体験版です。

中村:なるほど。いまは簡単で使いやすいDAWソフトが普及していて、誰でも曲が作れる環境がありますからね。

よみぃ:難しかったですけどね。MIDIキーボードを持ってなかったから。

中村:マウスで音を置いていったんだ(笑)。

よみぃ:はい(笑)。作りたいように作ったんですけど、すでに「太鼓の達人」をやっていたし、無意識のうちに(「太鼓の達人」向きの)「そういうリズムになったらいいな」と思っていたかも。「よみぃさんの曲はプレイしていて乗れる」「何回もやっちゃう」というコメントが多いのも、そういうことかなと。

中村:よみぃのクリエイティビティのなかで、「太鼓の達人」はかなりでかいんだね。たとえばクラブのDJは、当たり前のように踊れる曲を作るでしょ? 実際にクラブで踊っているお客さんを見て、「こういう曲があれば、もっと盛り上がるな」と思って次の曲を作る。そういうことに似てるよね。他のプレイヤーを見て、「こういう曲を作ってみよう」と思うこともあるでしょ?

よみぃ:そうですね。音楽ゲームのコンポーザーはそのことを意識しているし、半数以上は音ゲー大好きなプレイヤーでもあると思うんです。なので、実際にプレイしたときに挑戦しがいのある曲を書こうとするのかなと。プレイヤーの欲望も果てしないですからね。フルコンボだけでは満足できず、次は“全良”を目指すようになるので。

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