ORESAMA×空間演出ユニットhuez、光と音で現場を進化させるーー共に創り上げたワンマンライブを見て

『ORESAMA -POPUP BOX Supported by huez-』レポ

 定額ストリーミングサービスの普及により、多くの人びとが音源そのものに容易に触れ易くなったことで、相対的に“現場”の価値が上がっている昨今、アリーナ規模やドーム級の大会場はもちろん、今回のように渋谷WWW Xのような箱でライブを行うアーティストにおいても、演奏や歌唱力以外の面、すなわち“テクノロジー”の面に積極的に気を配ることが求められるだろう。その際、照明という分野はまだまだ発展途上。現状は会場スタッフに任せるアーティストも多く、今後の音楽シーンにおいて大きく進化する余地が残されている。

 今回、チケットの即日SOLD OUTに伴い機材エリアが開放されたため、たまたまhuezチームの真裏でライブを楽しむことができたのだが、ORESAMAの鳴らすサウンドや舞台上の動きに常に目を光らせ、照明の面からもライブを作り上げているのがしっかりと確認できた。この日のライブの盛り上がりは確実に彼らの協力があってこそだと言えるだろう。もともとアニメーションをスクリーンに映し出すことで視覚的にも楽しめるライブを展開しているORESAMAだが、彼らが加わったことによってそれがよりパワーアップし、どこか近未来のイベントを体感している気分を味わえた。

 「Waiting for...」では光が会場全体に照射され、きらびやかな空間が演出されると、MONICOによるDJタイムへ。バキバキなエレクトロサウンドを繰り出しながら機敏な動きで観客を煽る。

 後半は「OPEN THE WORLDS」からスタート。「来年も私とみんなで一緒に遊べるように、私たちの作るものがみんなに届くように願いを込めて、この曲を一生に歌いましょう!」と言うと、曲のイントロと大歓声が入り混じり、「「ねぇ、神様?」」へ。

 その後のMCでは、来年春に新シングルがリリースされることと、4月16日にワンマンライブを開催することを告知。これにはファンも大喜びで、すぐさま予定を確認する客もちらほら。

 終盤は「ワンダードライブ」「流星ダンスフロア」と人気ナンバーを次々に繰り出しラストスパートをかけ、大拍手のなかステージを後にした。アンコールでは「Hi-Fi TRAIN」と「乙女シック」の2曲を披露し、再度拍手喝采になった会場でぽんが大きく「ありがとうございました! 4月16日絶対に遊びましょう! またねー!」と言って終演。久々となったワンマンライブを、空間演出による光と音のステージングで楽しませた一夜であった。

(撮影=江藤 はんな(SHERPA+))

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

■ライブ情報
ORESAMAワンマンライブ@TSUTAYA O-EAST
日程:2020年4月16日(木)
ホームページ先行
受付期間:2019年12月16日(月)23:59まで

ORESAMA オフィシャルサイト

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