GENERATIONSとTHE RAMPAGE、ボーカルの対比から見えるグループの特色

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「SWAG & PRIDE」

 一方THE RAMPAGEは、川村壱馬、RIKU、吉野北人の3ボーカルが絡み合い、大所帯グループならではの一体感や奥行きを表現していくのが魅力だ。デビュー時はEXILE TRIBEの王道をいくワイルドな歌い方や勇ましい低音ラップのイメージが強かった川村は、じつは高音パートもオールマイティーに対応できる、頼りになるメインボーカル。R&Bを得意とするRIKUは、澄み切ったハイトーンボイスと高い歌唱力で、攻撃的なTHE RAMPAGEの楽曲にも爽やかな風を吹き込んでいる(地声もハイトーンのため、たびたびメンバーにモノマネされ、いじられている)さらに、デビュー時はあどけなさを残した声ゆえにシルキーボイスと称された吉野も、作品をリリースするたびに説得力のある歌声に進化。自分でも、いろいろなジャンルの楽曲に挑戦するたびに自分のボーカルとしての引き出しが増えていると語っており、まだまだ新たな一面を見せてくれそうだ(引用:『OUT of MUSIC Vol.64』より)。

 最近は、川村が主演を務め、吉野やパフォーマーの鈴木昂秀と龍が出演している映画『HiGH&LOW THE WORST』の影響で、主題歌「SWAG & PRIDE」のような男達のアツい生き様を描いた楽曲の印象が強い彼らだが、時にグルーヴィーに、時にセクシーに、時に爽やかに……HIP HOPをベースとしながらもさまざまなジャンルを楽曲に取り入れ、巧みに乗りこなしていくのがTHE RAMPAGEのスタイル。大所帯ならではのパフォーマンスに圧倒されがちではあるが、つねにストイックに音楽と向き合い進化し続ける3人の歌声が、世界に向けてグループを引っ張っていると言えるだろう。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「SWAG & PRIDE」
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE『THE RIOT』

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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