TWICE、最新作『&TWICE』野心的な作風の意味 “世界No.1ガールズグループ”への大きな一歩となるか

 サウンド面ではどうだろうか。TWICEと言えば、チアリーディング風のかけ声が入る元気いっぱいのダンスポップが最大のセールスポイント。そういうイメージを抱く人がおそらくほとんどだろう。ところが本作は少し様子が異なる。「Be OK」はこれまで以上にアグレッシブだ。無機質なコーラスワークでスタートするこの曲は、トラップを取り入れたエッジの利いたサウンドがこれでもかと押し寄せてくる。

 チェヨンが曲作りに関わった「How u doin’」も大きな話題を集めそうだ。日本の作品では初めてメンバーが作詞に参加し、TWICEのナンバーで「作曲」の欄にメンバーの名前がクレジットされるのは初となる同曲は、別れをテーマにしたもの。チェヨンは「TWICEの曲には明るい恋の歌が多いので、悲しい別れの曲も書いてみたいと思った」(参考:TWICE、日本2ndアルバム『&TWICE』発売 チェヨンが初の作詞作曲に参加した楽曲も/リアルサウンド)という。しかしながら、最初から最後までどこかポジティブなオーラを放っているところにグループらしさがあらわれている。チェヨンはソングライターとしてもかなり才能がありそうだ。

TWICE『&TWICE』Spoiler Video

 このように『&TWICE』は、いたるところに今までにないTWICEが感じられる。それは何を意味するのだろうか。自分たちをずっと支えてくれたファンや従来のイメージを大切にしながら、新たな方向性を見つけようとするメンバーたち。目指しているのはより多くの支持を得ること、つまりワールドワイドな成功に違いない。これはアルバムタイトルに込められたメッセージを世界中のすべてのリスナーに向けて発信していることからも明らかだ。“アジアNo.1ガールズグループ”から“世界No.1ガールズグループ”へ。本作はその大きな一歩となるに違いない。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。『ミュージック・マガジン』や『ジャズ批評』など専門誌を中心に寄稿。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著もいくつか。LOVE FM『Kore“an”Night』にレギュラーで出演中。

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