ジャニーズ屈指のダンサー 屋良朝幸の情熱が人を動かすーー連続ドキュメンタリー第1回を見て

屋良のパフォーマンスにも通じる指導の精神

 末武のダンスをみて、「これがただやってるだけだとおもしろくない」と屋良。他にも「楽しめ」、「さらけ出してなんぼのライブだからね。ここやっていい場って言ったじゃん」とアドバイスしていた。

 前出のパンフレットの中で、屋良はミュージカル中の歌について、「上手く歌おうということは考えていません」と語っていた。「もちろん技量は必要なので僕もレッスンは欠かしませんが、テクニックだけで歌ってもお客様には何も伝わらないと思いますから。だから根本的な心の部分というものを絶対に忘れてはいけない」。歌について語られたことではあるが、この精神は屋良のパフォーマンス全ての礎となっているのではないだろうか。末武に対するアドバイス、屋良が踊っているときの表情が物語っている。

 末武はまだ本番にあげられるレベルではないというが、「自分で気づくしかない」と屋良。ジャニーズの中でもダンスに傾倒し、ジャニーズでも珍しいダンス留学をしてきただけに、自ら道を切り拓き、場数を踏んだからこそ辿りついた答えだろうか。やさしい口調、自分なりの答えをだせるよう導く教え方に、積み重ねてきたものの厚みを感じた。

 次週予告には、「ジャニーズなめられちゃいけないなって思うんですよ」と語る屋良の姿。ジャニーズでありながら、いわゆる王道のアイドル道を進まなかった屋良ならではの言葉のように思う。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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