乃木坂46×欅坂46×日向坂46、グループの垣根を越える展開も? 『坂道ANN』に感じた未来への布石

 北野が借りてきた猫のように人見知りを発動しスタートした放送だったが、最終的に新内の家で鍋をつつこうという仲にまで関係性が深まった今回の『坂道ANN』。新内組は新内を始め、土生、梅澤と高身長のメンバーが多く、新たに佐々木の登場で新内組の「165cm以上の会」が定められたのもユニークなポイントだ。また、番組内ではメンバーそれぞれの「アイドルが好きなアイドルソング」が発表されたが、尾関が「君の名は希望」、佐々木が「生まれたままで」、土生が「いつかできるから今日できる」と、3人がオーディションを受けるにあたってのルーツに乃木坂46の楽曲を挙げていたのも印象的だった。

 さらに、パフォーマンスしてみたい別グループの楽曲については、新内が欅坂46「二人セゾン」、松田が乃木坂46「インフルエンサー」、土生が乃木坂46「裸足でSummer」を選んだ。今年、欅坂46が3周年アニバーサリーライブにて、乃木坂46「シンクロニシティ」を披露しており、全くあり得ない話でもない。Twitterで番組のハッシュタグ「#坂道ANN」を追うと、坂道3グループによる、合同ライブやシャッフルユニットを希望する声も多く上がっていた。

 そんな想像を抱かせるのは、背景に『坂道合同オーディション』が存在しているのも大いに影響しているだろう。乃木坂46の4期生、欅坂46の2期生、日向坂46の3期生を輩出した『坂道合同オーディション』は、先述した通りに、各グループから現役メンバーもセミナーに参加。これからグループに加入する未来のメンバーはもちろん、先輩メンバーにも横の繋がりが生まれている。そして、その『坂道合同オーディション』合格後、レッスンに励んでいた乃木坂46、欅坂46、日向坂46の研修生15名が今月末より東名阪ツアーを開催。ツアーでは各グループの代表曲をパフォーマンスする予定だ。このツアーで生まれた絆は、それぞれのグループへと加入した後も、息づいていくだろう。さらに、3グループが舞台上で初共演を果たした『ザンビプロジェクト』の例もある。『坂道合同オーディション』『ザンビプロジェクト』『坂道ANN』と、坂道グループにおける未来への布石が、確実に打たれているように思えてならない。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる