ジェジュン、SEVENTEEN、TWICEチャートイン 最新アルバムに映る“Jの法則”と“Kの法則”

 TWICEやSEVENTEENを聴いていると、やはり耳を惹き付けられるのはビートの鮮やかさ。「韓流」という言葉を過去のものにし、世界を相手にアジアンポップカルチャーをプレゼンしている今のK-POPシーンでは、リズムに対する意識の高さがモノを言います。TWICEの新作に収録された「Reinbow」や「Get Loud」は歌メロ以外ほとんどリズムだけで構築されている曲。高音域から低音域までさまざまなビートが絡み合って高揚が生まれる一曲で、「TTダンス」の頃のキュートなイメージをさらに更新していくカッコよさです。

 若きグループSEVENTEENも成長著しい限り。アルバムにはメロウなR&Bやアーバンなダンスチューン、アグレッシブなラップまで多彩な楽曲が揃っていますが、一曲目「HIT」を聴けば、やはりリズムが格段に際立っていることがわかります。実際のビート使いもそうですが、言葉がわからなくても一発で踊りだしたくなる“リズムとしての機能”を歌が担っているし、次々と背景が変わっていくような展開のスピードもあるから、3〜4分とは思えないスリルを味わえるわけです。

 “歌をメインに、言葉やメロディの美しさを耳で味わう”のがJの法則、“まずリズムが先、身体を直撃して本能ごとアゲていく”のがKの法則。例外もあるので一概には言えませんが、少なくとも今回の3アーティストからはそんな違いが見えてくるのでした。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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