Age Factoryが到達した新境地ーー3作品連続リリースで起こす「日本ロック界における革命と挑戦」

Age Factoryの「日本ロック界における革命と挑戦」

「nothing anymore」

 そして、長い夏の終わりに第3弾シングル「nothing anymore」がリリースされた。この曲は、〈帰り道の匂い〉〈駆け抜けた団地〉〈祭りの夜〉など、清水の脳裏に焼きつく忘れられない憧憬の数々が登場する。聴いていてやはりどこか懐かしいし、映画のような物語性を感じるのは必然だろうか。もしその映画のエンドロールでこの曲が流れていたら間違いなく心がギュッとなる。またコーラスに、清水が高校生の頃から聴いていたきのこ帝国の佐藤千亜妃を迎え制作された。コーラスはこれまでも彼らの楽曲において大切な要素であったが、この曲でも最大限に活かされている。アコースティックギターの揺るやかなアルペジオから始まり、清水のしゃがれた声と佐藤の透き通った声が調和していく。ハイハットがリズムを刻みどっしりとベースが腰を据える。相反した声の重なりは、切なさも美しさも何倍にして曲に還る。最高のバラードだ。

Age Factory "nothing anymore" (Official Music Video)

 『日本ロック界における革命と挑戦』と銘打ってリリースされた3曲。ブレたり、ズレたりすることなく脈々と激情的で芯の通った精神性を貫き、サウンド面を磨き上げ新たなフェーズへ突入したAge Factory。現在のバンドシーンにメスを入れ、孤高の存在であることを選択する彼らは、覇王のような強さや逞しさを持つ反面、弱さも孤独も知っている。だからこそ彼らが歌うことに意味があるし、確固たる自信にも繋がっているのだと思う。フロントマンの清水は、自ら壁をぶち破り多角的に描いたイメージに向けて自分たちをプロモートしていく力があり、西口、増子はバンドの土台をしっかり固めているように感じる。バンドへの信頼があるからこそ、この3人のバランスで、清水が大きく旗を振れるのではないだろうか。この挑戦と革命で彼らがスタンダードを創り上げる過程を共に見ていたいし、Age Factoryが舵を取るロックシーンが楽しみだ。現在、キャリア初のワンマンツアーを開催中。各地、革命の夜をその目に焼き付けてほしい。

(文=石見優里佳)

■リリース情報
第1弾デジタルシングル「CLOSE EYE」
発売:8月9日(金)
価格:¥250(税込)
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第2弾デジタルシングル「HIGH WAY BEACH」
発売:8月30日(金)配信
価格:¥250(税込)
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第3弾デジタルシングル「nothing anymore」
発売:9月13日(金)配信
価格:¥250(税込)
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■ライブ情報
『Age Factory ONE MAN TOUR 2019「HOPE」』

10月6日(日) 会場:奈良EVANS CASTLE HALL
OPEN 17:15 START 18:00
ADV ¥3500(+1Drink) DOOR ¥4000(+1Drink)
Info:SOUND CREATOR(06-6357-4400)

10月13日(日) 会場:名古屋CLUB UPSET
OPEN 17:30 START 18:00
ADV ¥3500(+1Drink) DOOR ¥4000(+1Drink)
Info:CLUB UPSET(052-763-5439)

10月19日(土)会場: 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 17:00 START 18:00
ADV ¥3500(+1Drink) DOOR ¥4000(+1Drink)
Info:HOT STUFF(03-5720-9999)

※ チケット一般発売 8月3日(土)10:00〜
イープラス・ローソンチケット・チケットぴあ

オフィシャルサイト

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