lyrical school、ライブで改めて実感した“集団MCグループの魅力” マイナビBLITZ赤坂ワンマンレポ

lyrical school、マイナビBLITZ赤坂ワンマンレポ

 同公演では、メンバー作詞バージョンの「S.T.A.G.E」(原曲は2013年)、lyrical schoolの前身であるtengal6の楽曲「perfect☆キラリ」(2012年)のほか「ワンダーグラウンド」(2015年)なども披露された。オリジナルメンバーは全員卒業し、2018年5月から新体制となったリリスク。この選曲には、現在のリリスクに至るまでの物語が透けて見えてきて思わず心迫るものがある。また、同公演のSEではサイプレス上野とロベルト吉野、NONA REEVESなどの楽曲が選曲されていたなかで、2012年に“散開”したアイドルグループ・Tomato n'Pineの「ワンダンス!」も流れていた。同曲といえば、リリスクが今年の『TIF』でカバーし、そのなかでhimeが「今までここに立ったすべてのアイドル/いたからこそある今日のステージ」とラップしていたのが記憶に新しい(Tomato n'Pineは初回TIFから参加していたグループだ)。同公演やSEの選曲などからも、これまで道を作ってきた全アイドルをリスペクトするメンバーたちの思いが感じられたし、それを彼女たちらしいやり方であくまでもピースフルに表現するところにもグッとくる。

hime
hinako
minan
yuu
risano
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 アンコールでは、yuuが袖からちょこんと飛び出しメンバーを先導。整列しながらメンバーが登場する場面では、それぞれ生き生きとした表情を浮かべていたのが印象的だ。そのまま披露されたアルバム未収録の新曲「Bring the noise」は、アイドルらしい愛らしさを含みつつ自由度の高さを感じさせる楽曲だ。一方、同公演で披露されたもう一つの新曲「LAST SUMMER」は洗練されたチルアウトな楽曲で「Bring the noise」とは異なる毛色。どちらも表現力が格段に上がっている今の彼女たちだからこそチャレンジできる楽曲だろう。

 彼女たちのパフォーマンスとBIG-DのDJによって、一時もペースを落とすことなく会場を盛り上げていた同公演。リリスクは、約2時間のライブのなかでアンコール含む27曲を披露。非常に濃密でありながらタイトに仕上げられたステージングには、思わず感嘆するしかなかった。前作のアルバムツアー『lyrical school tour 2018 “WORLD’S END”』でも彼女たちのパフォーマンスの高さを実感させられたが、まさかここまでパワーアップしているとは。まだライブに行けていない人は、今すぐチケットを購入して現在のリリスクを目撃してほしい。

(文=北村奈都樹/写真=shujiro)

lyrical school公式HP

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