GENERATIONS×田名網敬一コラボライブに込められた“夢” 奇想天外なグラフィックを考察

GENERATIONS×田名網敬一コラボの意味

今見ている夢が、未来のリアルに

 また、今回のツアーで目を引くのは日本を代表する現代アーティスト・田名網敬一の色鮮やかなツアーロゴとグラフィックだろう。1960年代に極彩色を使った奇想天外な作品が瞬く間に話題となり、世界中のアーティストたちに影響を与え、ロックバンドやファッションブランドともコラボレーションしてきた田名網。82歳になった現在も精力的に活動を続けており、今年春には、アディダス オリジナルスとタッグを組んだウェアコレクション「adicolor by Tanaami」を発表し、大きな話題となった。

 その作品は、目や舌、真っ赤に塗られた爪など人間のモチーフから、魚のウロコやサクラといった和を感じさせるイメージが繰り返し登場する。一見、グロテスクなアイコンもあるが、少し懐かしさを感じるアメコミテイストのカラーリングでポップさを醸し出す。

 彼自身の戦争体験や敬愛するSF雑誌、マンガの世界観などがミックスされた、シュールなグラフィック。それが、ライブ会場のスクリーンに繰り返し繰り返し映し出されると、どこかフワフワと夢の中にいるときのような気持ちになってくる。私たちが今見ているのは現実なのか、それとも少年たちの夢の世界に私たちが入ってしまったのだろうか……。

 答えは、両方だ。7人が夢見た現実が、目の前に広がっている圧倒的リアル。それは、夢を見ているような幸せな時間。今やライブ会場そのものが、大人になった白濱亜嵐、片寄涼太、数原龍友、小森隼、佐野玲於、関口メンディー、中務裕太の秘密基地。7人がライブを重ねるたびに、その基地がどんどん広くなって、今やドームも狭く感じるほどだ。

 ソロコーナーが充実しているのも、7人が楽しくて仕方なさそうに繰り広げる盛大な茶番も、きっとこのライブが、GENERATIONSにとって初の5大ツアーという1つの夢がかなったという一区切りだからかもしれない。ここまでやってきた、というひとまずの集大成。

 まだまだ遊ぶ気満々な7人の待つ秘密基地は、11月7日に東京ドームへと場所を移す。その後、愛知・ナゴヤドーム、大阪・京セラドーム大阪、福岡・福岡ヤフオク!ドームへ。GENERATIONSクロニクルは、これからも続いていく。その1ページを共に描く。そんな過去最高のライブを、ぜひ体感してほしい。

(取材・文=佐藤結衣)

■ツアー情報
『GENERATIONS from EXILE TRIBE「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”」』
2019年11月7日(木)東京都 東京ドーム
2019年11月8日(金)東京都 東京ドーム
2019年11月15日(金)愛知県 ナゴヤドーム
2019年11月16日(土)愛知県 ナゴヤドーム
2019年11月17日(日)愛知県 ナゴヤドーム
2019年12月6日(金)大阪府 京セラドーム大阪
2019年12月7日(土)大阪府 京セラドーム大阪
2019年12月8日(日)大阪府 京セラドーム大阪
2019年12月13日(金)福岡県 福岡 ヤフオク!ドーム
2019年12月14日(土)福岡県 福岡 ヤフオク!ドーム
2019年12月15日(日)福岡県 福岡 ヤフオク!ドーム

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