Leadのパフォーマンスは進化し続ける “史上最高”の盛り上がり見せた『Sync』ツアー最終公演

Lead『Sync』ツアーで“史上最高”の盛り上がり

 この夏デビュー17周年を迎えたダンス&ボーカルユニット、Leadが全国ツアー『Lead Upturn 2019 〜Sync〜』のファイナル公演を9月14日東京・中野サンプラザで行った。6月から最新シングル『Summer Vacation』のリリースイベントで全国各地を駆け巡り、8月には同じ事務所のDA PUMPやw-inds.とともに台湾のフェス『超犀利趴(スーパースリッパ)10』に出演するなど、多くの人に歌と踊りを届けてきた3人。少し遅めの夏の締めくくりとなったこのツアーファイナルについて、当日夜公演の模様を中心に雑感を述べたい。

 彼らの楽曲の中でも‟超”重厚な世界観で魅せる「Be the NAKED」からスタートしたこのライブ。白いセットアップに同色のライフジャケットを羽織り、円形の照明に囲まれたステージに登場した3人の姿は、どこかの星に降り立った宇宙飛行士を思わせる。いきなりのアッパーなナンバーに客席のLeaders(Leadファンの愛称)はもちろん、ステージの3人からも立ち上るような熱気が感じられた。難易度の高いステップなどで魅了する同曲から、間髪を入れず津軽三味線×デジタルサウンドがインパクト大な「メダリスト」へ。同曲ではステージディレクターを務めるKyoを筆頭としたダンサーズを含め、世界の‟頂”を目指す人の姿を表現するかのように、各人が気合いの入ったソロを同時に披露。さらにLeadのステージを力強くバックアップするDJ HIRORONもスクラッチを炸裂させ、序盤からクライマックスのようなテンションでパフォーマンスを展開していく。

 公演に先駆けて行われた囲み取材で、古屋敬多(以下、敬多)が「今回のツアーの構成は頭からものすごく攻めていて。序盤から歌いまくって踊りまくってという構成はここ数年なかったけど、こういうのがLeadらしいのかなと思う」と語っていたが、この序盤部分では「Fairy tale」「Wake me up」など、ファン人気の高いアッパーな楽曲をノンストップで繰り出し大きな歓声を浴びていた。またこのブロックだけでもメンバーの鍵本輝(以下、輝)や谷内伸也(以下、伸也)が作詞作曲した楽曲などメンバー制作曲が多く含まれており、ライブパフォーマンスを想定した自作曲が増えてきたことも、長いキャリアの中での彼らの進化を感じさせた。

 「みんなが一つになることでツアータイトルの‟Sync”は完成するので。まずは隣の人とハイタッチ!」(敬多)というアットホームなMCの雰囲気を引き継ぐように、ステージは“夏コーナー”へ突入。「真夏のMagic」(2002年)でのデビュー以来、夏をテーマにした楽曲を数多く発表してきた彼ら。そのレパートリーの中でも、2010年のツアー『Upturn 2010~I'll Be Around★』ぶりに披露された爽やかな「Summer Splash」(2005年のシングル『ベイビーランニンワイルド』収録)や、パーティチューン的な「Summer Madness」(2006年の同名シングル収録)といった懐かしの楽曲から、「Shampoo Bubble」「Backpack」といった近年の楽曲までをメドレーで披露。「Summer Madness」では、(コップを打楽器として使う)カップスパフォーマンスでも会場を盛り上げた。

 晩夏のようなムードが漂うミディアムバラード「Summer Love Story」からは、楽曲の雰囲気が一変。3人のハーモニーがさまざまな形で絡み合う同曲に続き、オープニングをしっとりとした3声のアカペラで聴かせた「Dear」、ピアノアレンジのトラックに敬多のフェイクが柔らかく響く「Say Good-bye Say Hello」とバラードを連発。この春にミュージカル『プリシラ』で活躍した敬多を筆頭にそれぞれが声量や歌唱力の部分を強化し、しっかりと歌を聴かせるボーカルグループ的な側面も持ち合わせるようになっていたことには正直、驚いた人も多かったのではないだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる