HiHi Jetsと美 少年にしっかりと受け継がれるジャニーズイズム 密着番組『真夏の少年』を見て

 こうしてリハーサルに励む中、急に舞い込んだジャニー喜多川の訃報。「固まっちゃいましたね。美 少年全員いて、それを言われたときみんな本当に固まってましたね」(佐藤)、「亡くなった次の日のリハは、感情がぐちゃぐちゃで。悲しいんですけど、本当に信じられなくて涙が止まらなかった」(浮所飛貴)、「『Show must go on』というジャニーズなら誰もが一度はジャニーさんに言われたことがある言葉。“何があってもショーを続けろ”、と。ジャニーさんはここで俺らが悲しんで何カ月も立ち直れないことを望んでいるわけじゃなくて。むしろここで止めてしまったらジャニーさんは天国で怒ってるんじゃないかなって」(猪狩)、「ジャニーさんが亡くなっちゃってからのリハーサルは、正直最初はきつかったですよね。人生で一番泣いたんじゃないかなってくらい泣いて。でも(一番ショックを受けていた)優斗が『ジャニーさん絶対見てるから頑張ろう』って言ったんですよ。優斗がそんなこと言うのに、俺らが『悲しい無理だ』なんて言えないじゃないですか」(橋本)、「『こんな時に泣いてたらキミは本当にバカだよ』って(ジャニー喜多川に)言われるのは目に見えているので。『キミたちは自分たちでやらないといけないんだよ』って絶対言われるのは分かりきってるんで。ジャニーさんの意志を大事にするために切り替えた」(髙橋)と、それぞれ思いを語っていた。

 そして、本番初日を迎えた2組。大歓声とともにステージに姿を現し、リハーサルの苦労を微塵も見せずに笑顔でパフォーマンスを行なっていく。美 少年は「ねぇ もっと」、HiHi Jetsは「Eyes of the future」とそれぞれ新曲も滞りなく披露し、ライブは大成功。しかし、彼らは「毎日違ったパフォーマンスを見せていきたい」(岩﨑)、「直せるところは直していきたい」(橋本)とさらに高みを目指す。

 この番組から感じたのは、3つの思い。1つは「ステージ」への思い。多忙なメンバーを全員でカバーし、自分たち自身をプロデュースする。それらはすべて、最高のステージを作っていくための努力である。2つ目は「ファン」への思い。度々出てきた「同じものは見せない」というストイックな言葉。常に進化し続けるのは、見ている人を最大限楽しませたいという気持ちから生まれたものなのだろう。そして、最後は「ジャニー喜多川氏」への思い。彼が何があっても走り続けるのは、ジャニー喜多川が残した「Show must go on」という言葉を胸に刻んでいるから。そして、この3つはまさに、ジャニーズイズムとも言える姿勢である。ジャニー喜多川、そして先輩グループたちからジャニーズイズムを脈々と受け継いでいるHiHi Jets、美 少年。2組がその名をより広く知らしめるのは、時間の問題だろう。

(文=高橋梓)

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