King & Prince、GENERATIONS、浦島坂田船……ボーカルワークが堪能できる新作

SUPERNOVA『PAPARAZZI』(通常盤)

 2018年に超新星からSUPERNOVAに改名し、約4年ぶりにグループとして再始動。シングル「ChapterⅡ」「BANG★」をヒットさせた彼らから、日本デビュー10周年を記念したフルアルバム『PAPARAZZI』が届けられた。ネオファンクの潮流を汲んだトラックと“君だけがすべて”なリリックがひとつになった「Present」、恋人の誕生日をテーマにしたヒップホップナンバー「Sunsun birthday」、シックな手触りのEDMトラックとともに失恋の悲しさを綴った「Lost in Love」、ジャジーなピアノから始まるダンスチューン「Cruisin’」など、トレンドを捉えた質の高い楽曲を収録。日本語をしっかりとビートに乗せ、心地よく(ときに男っぽく)グルーヴさせるメンバーのセンスと技術に魅了される。

Hilcrhyme『事実愛 feat.仲宗根泉(HY)』(通常盤)

 新生Hilcrhymeとして最初のシングル「事実愛 feat. 仲宗根泉(HY)」は、ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』(読売テレビ・日本テレビ系)のために制作されたミディアムバラード。繊細なピアノを取り入れたトラックのなかで描かれるのは、大切な人との別れを経験しながらも、決してネガティブにならず、前を向いて歩こうとする女性の姿だ。最大の聴きどころはもちろん、TOCと仲宗根泉(HY)のボーカルの重なり。全編ラップのストイックな構成なのだが、仲宗根の豊かな表現力が加わることで、ラップと歌が有機的に結びついている。TOCがHilcrhyme名義で女性アーティストをフィーチャーしたのは今回が初。デビュー10周年のタイミングで生まれたこの曲は、新たな体制で再スタートを切ったHilcrhymeにとって大きなポイントになりそうだ。

「事実愛 feat. 仲宗根泉(HY)」MV -TOC編- を公開!

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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