YouTube登録者数も重要な指標の一つに 音楽系チャンネルの動向に注目

200万人~kobasolo

コバソロ『これくしょん2』

 足立佳奈や橋本裕太などのアーティストへの楽曲提供をおこなうプロデューサーでもあり、作詞・作曲・編曲、演奏、動画制作などの全てを自身でこなすシンガーソングライターでもあるコバソロ。チャンネル登録者数は2,077,426人(8月17日時点)。もともとは、ピアノ、ギター、ボイスパーカッション、ボーカルなどのパートを自身で完遂した動画を投稿する割合が多かった。しかし、今では、彼が若手女性シンガーソングライターをプロデュ―スする側に回り、演奏者として共演しつつも、彼女らがJ-POPのヒットソングをカバーする動画シリーズが好評を博すに至っている。MVに出演しているのは、「歌ってみた」などで名声を得た歌い手の春茶、SHE IS SUMMERのボーカルとして活躍するMICO、モーニング娘。の元メンバーである高橋愛などだ。男性アーティストのヒットソングの演奏を彼流にアレンジしたところに、女性の歌声を乗せることで、このような見せ方もできるのだという新たな側面を提供しているといえる。彼の動画の数々がアーティストのMVさながらに本格的で趣のある作品となっているのは、自身がプロデュース側であることへの自覚たるものを強く意識していることにあるのかもしれない。また、近年では、オリジナル楽曲も好評を博している。

【女性が歌う】シャルル /バルーン(Covered by コバソロ & えみい(from テーマパークガール))
【MV】夏恋慕 feat. 春茶 / コバソロ (「富城物産」CMソング)

 楽曲カバーという視点ではそれぞれの活動は似ているが、アレンジを加えて弾く、自身で歌う、もしくは他のシンガーソングライターと出演する、といったように、見せ方が異なるからこそ、アーティストの個性が出ていて味わい深い。娯楽性や癒しなど、視聴者がYouTubeで動画を楽しむ理由は千差万別。そんな中、より多くの人々を惹きつける魅力的な音楽系動画やチャンネルが増えることは、音楽シーン全体の活性化にもつながっていくはずだ。

■小町 碧音
1991年生まれ。歌い手、邦楽ロックを得意とする音楽メインのフリーライター。高校生の頃から気になったアーティストのライブにはよく足を運んでます。『Real Sound』『BASS ON TOP』『UtaTen』などに寄稿。
Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる