2019.08.30 12:00

miwa『凪のお暇』主題歌で表現した“人生のリブート”　ドラマを彩る歌詞の説得力を紐解く

　歌手としての活動に留まらず、ラジオで等身大のトークを披露したり、女優というジャンルにも挑戦したり……周囲の期待に応えながら、マルチに活躍してきたmiwa。それは、キャリアも、自己実現も……と、何かとこなさなければならないタスクの多い現代女性を彷彿とさせる部分もある。だからこそ、miwaの楽曲はいつもリスナーの人生に寄り添い、様々な思いを歌にすることができたに違いない。そして、今まさに多くの現代女性が共感する『凪のお暇』にぴったりな楽曲「リブート」が生まれたのだ。

　「今何か断ち切りたいことがある人、何か変えたくても、なかなか変えられずにいる人や、何か始めたいという人の背中を押せる曲になったらうれしいです」miwaのコメントから、彼女自身の新しい一歩への強い意思がにじみ出る。「リブート」を口ずさみながら、自分には何が必要なのか、人生という旅路に持っていく荷物の再点検してみようではないか。

　もし、捨ててしまったあとで「やはりあれが自分らしい」と気づけば、また手に入れればいいのだ。長い髪を切っても、またいつか伸びるように。少し時間がかかっても、本当に大切なものなら、もう一度手に入れることだってできるはず。全く同じものではなくても、またそのときの自分にふさわしいバージョンアップした何かを見つけられるはずだ。

　私たちは、人生100年と言われる時代に生きている。長い人生、これまで手に入れてきたものも大切だが、それに縛られないことも同じくらい大切だということ。捨てたり、拾ったり……心の呼吸を繰り返しながら、そして何度もリブートしながら、私たちは大人になっていくのだ。そのときどきでまた隣には、miwaの新しい作品が寄り添ってくれるはずだ。

（文＝佐藤結衣）