CIVILIANが構築するバンドとファンの“1:1”の関係性 Lyu:Lyu時代の面影も見せた3周年ライブ

CIVILIANが築くファンとの関係性

 彼らのライブを観ていて感じるのは、「1:1」の「アーティスト対ファン」という構図が自然と形成されていることだ。それは、Lyu:Lyuの頃から変わることはない。だからこそ、コヤマのMCは「メシア」と同等に、剥き出しの言葉で観ている者に突き刺さる。「俺たちの音楽を信じてくれるみんなの反対側にいる人たち。君たちを傷つける存在や君たちに嫌な思いをさせるような人間たちの最強の敵になります。だから、大丈夫。一緒に毎日を生きていきましょう」ーーそう言って、本編ラストの「I feat.まねきケチャ」を、セルフアレンジにて歌い上げた。

 アンコールでは、11月14日に渋谷WWW Xにてワンマンライブを開催することを発表。「自分たちが何者かを突きつける、分かってもらえるようなライブをもう一度やりたい」と告げたコヤマは、映画を観ているような、3人が集まった時に原初の理想像を体現する、朗読といった音楽を聴かせるだけではないコンセプトライブにすると明言した。

有田清幸

 “原初の理想像”とは、まさにこの『“THREE”』で体現したLyu:Lyuからの延長線でもある。万雷の拍手によって迎えられ3人はダブルアンコールに「花よ花よ」を選んだ。予定にないダブルアンコールに、埋まっていたフロアは元の形を崩していた。全灯するライトに照らし出されるステージとフロア。各々がそれぞれの場所で、CIVILIANが放つメッセージを受け止める関係性は、「1:1」であり、これからも彼らはファンにとっての救いの存在であり続けるのだと思う。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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