LUNA SEAの5人が“ロックスター”であり続けられる理由 『SONGS』で語られた言葉から探る

 トークと並行して放送されたスペシャルライブで、まず初めに披露されたのは、ライブの定番曲として絶大な人気を誇る「ROSIER」。実に25年以上も前に作られた楽曲であるが、今も決して色褪せず、演奏するメンバーの表情や動作はあの頃と変わらない。その証拠に、Jは使い終わったマイクスタンドを後方へと高く放り投げ、ドーム規模のライブと変わらぬパフォーマンスで観客を沸かせた。何度もカメラにアップで抜かれていたRYUICHIの顔は、当時のような派手なメイクこそ施されていなかったものの、見る者を射抜くような眼光の鋭さは全く衰えない。「お前ら全員で……飛ばしていくぞ!」と客席を焚きつけるワイルドな煽りも、普段のライブさながらの迫力であった。

 その他、30年間の歴史を彩るヒット曲として、「I for You」「STORM」「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」「gravity」「TONIGHT」「TRUE BLUE」も披露されたが、今回はダイジェスト版の放送であったため、「物足りない!」「完全版を放送してほしい!」と、この日の放送を待ちわびていたSLAVEの言葉で、SNSは大いに賑わった。最後に披露された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』のオープニングテーマ曲でもある最新シングル「悲壮美」では、切ないメロディに乗せられたRYUICHIの美しく伸びやかな歌声が胸に響き渡る〈辿り着くその場所は きっと 同じ場所だと誓うから〉という締めくくりの歌詞は、5人の決意の言葉だと番組で紹介された。その言葉通り、5人は今LUNA SEAの音楽を通じて、同じ場所へと繋がっている。そして、いくつ年齢を重ねても、時を越えても、“ロックスター”で居続けるのだろう。

■南 明歩
ヴィジュアル系を聴いて育った平成生まれのライター。埼玉県出身。

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