C&K、“期待の新人12年目”が夢の舞台で見せた全力プレゼン 5つのキーワードから魅力に迫る

C&K、夢の舞台で見せた全力プレゼン

④日本全国地元化計画 

 この日はツアーではなかったためこの部分は軽めに書かせてもらうが、過去にC&Kは“無謀な挑戦”と銘打ち、福岡や栃木、鹿児島など地方を含めた1万人規模のライブを何度も成功させている。2014年のマリンメッセ福岡を皮切りとしたこの大型ライブは結果的に新たな四池さんを呼び込む形となったが、それは全国各地にファンが存在し、ここからさらに草の根的にファンを増やせる可能性を持っているということだ。平日に行われたこの日のライブでも、客席やロビーで関西弁や九州弁など郷土色を感じさせる会話が飛び交っていたことを書きとめておく。

⑤紅白歌合戦 

 C&Kは以前から「紅白歌合戦に出場したい!」と明言し、紅白をタイトルに入れたライブツアーを行うなど例年キャンペーン的活動を行ってきた。「紅白歌合戦って誰でも知っている番組で、そこに出場できたなら誰でもすごいと思ってくれる」「老若男女に分かりやすい」(参考)という実にシンプルな理由からスタートしたこの挑戦だが、実際にC&Kの曲は王道な魅力を持ち、世代を選ばず聴ける楽曲が多い。この日披露された楽曲の中でも先述のソウルフルな「愛を浴びて、僕がいる」はあの鐘を鳴らせそうだし、レゲエ×和のサウンドで盛り上げる「MATSURI」なら北島三郎勇退後の視聴者の心の隙間を埋められるかもしれない(?)。この日、イントロ部分で拍手喝采が起こったドラマティックな名バラード「Y」のスケール感は、C&K紅白出場候補曲の本命といえるだろう。いろいろ想像を膨らませたが、エバーグリーンな“紅白感”といえば、この日のラストに披露された新曲「嗚呼、麗しき人生」に勝るものはないかもしれない。往年の歌謡曲を思わせるメロディに、アクが強くハスキーなCLIEVYの歌声と懐の深さを感じさせるKEENの歌声が絶妙に絡み、人生のリアルを歌い上げるこの曲。感動的にステージを締めくくるのかと思いきや、突然会場に銃声が響き2人にヒット! 「(新曲が)ヒットしてほしい……」とつぶやきながら2人が搬送されるというシュールなエンディングとなった。

 本人たちの呼びかけで当日22時からTwitterジャック企画「全員が出演者作戦」が予定されていたものの、熱の入りまくったステージングにより終演が22時を回ってしまうというオチも実に彼ららしかった(その後見事にTwitterトレンド入り)。NHKさん、こんな感じですが、実力と才能は十分な2人をどうかよろしくお願いいたします。

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(写真=田中聖太郎)

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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