BUMP OF CHICKENのライブに感じた4人の結束力 初尽くしのメットライフドーム公演を見て

BUMP、初メットライフドームレポ

 日清食品「カップヌードル」の新CM「HUNGRY DAYS ワンピース ゾロ篇」にも起用され、すでにお茶の間でもお馴染みとなっている「記念撮影」では、コーラスをたっぷりとかけた増川のきらびやかなアルペジオが流れ出した瞬間、会場からは大きな歓声が。続いて升がスティックでリズムを取り始めると、それに合わせて自然発生的にハンドクラップが巻き起こった。倍音をたっぷりと含んだ藤原の声は、優しさや繊細さだけでなく「激情」や「官能」も内包されており、聴く者の感情を様々にざわつかせる。シンコペーションの効いたリズムに絡む、直井由文(Ba)の太くて重い5弦ベースがその歌声と美しいメロディを、グッと引き立てているのも印象的だった。

 どの曲にも趣向を凝らした演出がなされていたが、基本となるのはやはりバンドアンサンブル。同い年であり、幼稚園からの幼馴染である4人だからこその結束力を、ひしひしと感じさせるパフォーマンスだった。

(写真=富永よしえ)

 このツアーは全国のドームおよび5都市のライブハウスを舞台に、全18公演を行う大規模なもの。ツアーファイナル公演は11月3日と4日に東京・東京ドームにて行われる。今回のメットライフドーム公演は、『aurora arc』リリースの2日後となる初日12日と翌13日に開催され、2日間合わせて7万2000人を動員した。

(写真=古溪一道)

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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