小林幸子&中川翔子が語る、『ポケモン』と「風といっしょに」が時代を越えて愛され続ける理由

小林幸子&中川翔子 特別対談

“みんなちがって、みんないい”を教えてくれるのが『ポケモン』

ーー『ミュウツーの逆襲』やこの楽曲はもちろんですが、ゲームから始まって20年以上愛され続けている『ポケモン』という作品について、おふたりはその魅力はどんなところだと思いますか?

中川:最初にゲームが出たときには「これは革命だな」って感じましたし、「みんなちがって、みんないい」っていうことを教えてくれてるなって思ったんですよ。

小林:うんうん。たしかにね。

中川:形も違うし進化もするし、「ミュウツーかっこいい!」っていう子もいれば、「プリンかわいい!」っていう子もいて。でも、みんながいいんです。しかも、ゲームがコミュニケーションを取れるものになったし、ゲームがイマジネーションの泉って教えてくれたものでもあるんですよね。あと、昨日改めて第1作目の『ミュウツーの逆襲』を観たら、すごく哲学的に感じたんですよ。生まれてきたなら誰かを否定する筋合いなんてなくて、みんな違うからこそ争いもするし、傷つくからこそ大事なことも知るし……みたいなことを、語りすぎずにすごく語ってるんです。だから、もうひとりで泣いちゃいますよね(笑)。

小林:あはは(笑)。

中川:今は『ポケモンGO』のおかげで、当時リアルタイムではポケモンに触れてなかったけどふわっと知っている方も増えたと思うので、今こそ「何の知識なくてもいいから第1作目の『ミュウツーの逆襲』をまず1回観てください」って感じかも。今これを観たら、こんなに『ポケモン』が愛され続けている理由がわかる気がします。しかもまだセル画で味わいがある感じのと、3Dになった今回の『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』との対比も面白いですよね。

小林:そう、今回の映画、絵も本当に綺麗ですよ。私、ボイジャーっていうキャラクターで21年前と同じく出演もしているんですけど、映像ほんとに綺麗。まだ自分のところしか観てないんですけど、すっごく綺麗だと思います。

中川:うわぁー! 楽しみ。それに、脚本の首藤(剛志)さんの哲学的な台本もほぼ変わらずに作品になっていて。だけど受け取り手が増えて、さらに世代が広がるとなると、また革命が起こりそうですね。

小林:そうねぇ。『ポケモン』ってただの子供向けだと思ったら間違いで、大人もものすごく考えさせられるよね。子供向けではありますけど、大人になっても感情って同じだもんね。さっき言った理不尽さとか、いろんなときに人間が感じることが全部詰まってるのって本当にすごいなって。観ていてとっても勉強になるし、面白いなと思いますね。

中川:それに、子供にとって「映画館で映画を観る」ってすごい体験ですよね。当時私は銀座の映画館に連れていってもらったのを覚えていて。そのときのちょっとドキドキする感じとかって、一生モノなんですよね。

小林:中野から行ったの?

中川:はい。祖父には「映画は銀座で観るもの」みたいなこだわりがあって。

小林:おー。素敵素敵。

中川:そのあと帝国ホテルのハンバーグを食べさせてくれたことも覚えてて。

小林:あら、すごい!

ーー行くまでの道のりや映画館に入っていくとき、予告編の間に「いつ始まるんだろう?」と思っているときに、始まってでっかいスクリーンに映り始めたポケモンを観たとき、それぞれのドキドキがあって……。

小林:すっごくよくわかる私(笑)。

中川:わかるー!

ーーそれを子供のときに体験するっていうのは、本当に贅沢な体験ですよね。

小林:人生って、思い出の積み重ねだもんね。でも、おじいちゃん素敵だね。

中川:ほんと感謝です。しかも『ミュウツーの逆襲』のおかげで、その帰り道の手のあったかさも全部思い出せるんですよ。写真で残ってない景色すらも全部。だから、「忘れたくないな」って思っちゃいますね。それは、今の子供たちも同じなのかなって思って。たとえばイベントにはお父さんに連れてきてもらってた子も、お母さんとファミリーみんなで手をつないで来た子もいて。前のほうのキッズエリアに勇気を出して出てきて「しょこたん!」ってコールをしてくれた子もいれば、親と離れて前で見るのが怖いなっていう子もいたんです。で、そのあとみんなが全然違う体験をしていくなかで、いつかそのイベントと同じような気温や風の日に、ふとその日のことを思い出してくれたらどうしよう?……って妄想が楽しいんです。

小林:いいじゃない! 子供にとってそれはもう最高の宝物の日だよね。

中川:思い出になりますかね?

小林:それ絶対忘れないよ、子供たち。子供たちって、自分だけじゃなくてみんなと一緒にやった楽しかったことって、忘れないんだよね。

中川:ヤバい! 自分にとっての原動力も、懐かしさから見つけた未来への夢とか、わくわくとかで。つらかったときはそのときの気持ちを思い出して「負けないようにしなきゃ、潰れないようにしなきゃ」ってなるんですよ。その“懐かしい”って気持ちって『ポケモン』はすごく大事にしてくれているので、いつかの“懐かしい”を今作れていたら、すごく素敵ですね。

小林:そうね。結局、いつかはそうなるんだもんね。

中川:2019年も、“懐かしい”ってなるんですね。

小林:そうよ、そうそう。必ずそうなる。

中川:変な感じ(笑)。

小林:「しょこたん、令和元年に一緒にやったよね!」みたいな(笑)。

中川:すごい! 時を重ねて思い出が増えていくのって、楽しいですね。

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