BUMP、菅田将暉、ヤバイTシャツ屋さん……社会やメディアのなかで有機的に進化する新作

ヤバイTシャツ屋さん『スペインのひみつ』(通常盤)

 ヘビィ&ファストなサウンド、ドキャッチーなメロディとともに“癒着”について歌う“これぞヤバT!”なリード曲「癒着☆NIGHT」(「スプライト」CMタイアップ曲)をはじめ、「NHKフレッシャーズキャンペーン2018」イメージキャラクターに抜擢されたことを受けて制作された「案外わるないNHK」、こやまたくや(Gt/Vo)の小学校時代の恋のエピソードを描いたアッパーチューン「sweet memories」(しばたありぼぼの超ハイトーンボイスが炸裂!)、『志摩スペイン村』のテーマソング「きっとパルケエスパーニャ」をヤバイTシャツ屋さんアレンジでカバー、岡崎体育による「癒着☆NIGHT」remixとビックリするような大型タイアップ満載の8thシングル『スペインのひみつ』。バンドの個性を発揮しまくり、様々な企業、メディアとつながりながら表現を拡大し続けるヤバTの最新モードが体感できる。

【全曲トレーラー】ヤバイTシャツ屋さん 8th single「スペインのひみつ」
藍坊主『燃えない化石』

 昨年12月から今年2月にかけてCDデビュー15周年を記念した全国ツアーを行い、旺盛な実験精神と普遍的なポップネスを兼ね備えた音楽性を改めて提示した藍坊主。アニバーサリーイヤーを経て届けられた新作ミニアルバム『燃えない化石』は、このバンドの独創的な音楽世界がさらに深化していることを告げる作品となった。それを象徴しているのがリード曲「アンドロメダ」。夏の夜を想起させるきらびやかなサウンド、叙情性とスケール感を同時に放つメロディライン、そして、〈あなたと あなたを愛する人が いつか星になれたら/ 同じ星になれたら〉という歌詞がひとつになったこの曲は、日常と神話を行き来するような物語を描き出している。生まれては消えるトレンドを乗り越え、独自のスタイルを貫く彼らの現在地がここにある。

藍坊主「レタス」MV
SEVENTEEN AGAIN『ルックアウト』

 00年代中頃から活動スタート。メロコアを軸にしながら、ギターポップ、インディーロック、シューゲイザーなどを取り込んだバンドサウンド、日々の生活のなかにある葛藤、不安、希望を真っ直ぐに照らし出す歌うことによって確実に支持を広げてきたスリーピースバンド、SEVENTEEN AGAiNから4年ぶりのフルアルバム『ルックアウト』が到着。表題曲「ルックアウト」はポストパンク的なエッジーな音像と解放感のあるサビのメロディ、“なくした鼓動をもう一回”というラインがぶつかり合うアッパーチューン。さらに80年代のネオアコを想起させるアンサンブル「意味はないなんて強がらないで」、失恋の喪失感と平和の願いが自然につながる「戦争はおわりにしよう」などルーツに根差した音楽性と真摯なメッセージを共存させた楽曲を収録。

SEVENTEEN AGAiN / 戦争は終わりにしよう

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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