LDH楽曲がアジア諸国で異例のヒット記録! PKCZ®︎が語る、国境を超えたコラボへの挑戦

PKCZ®︎、世界的コラボ作を語る

MAKIDAI「エディットでメリハリが付いた」

ーー『キル・ビル』オマージュのMVは、セットも含めて完成度が高いです。

MAKIDAI:クエンティン・タランティーノ監督が、日本の居酒屋の「権八」をイメージして作ったというセットですよね。ほかにも和装やマーシャルアーツなど、可能な限りオマージュを捧げています。殺陣に関しては、実際に『キル・ビル』のアクションシーンを担当した殺陣チームにご指導いただきました。

DARUMA:しかも、『キル・ビル』の敵役だったスーツの集団は「クレイジー88」という名前なんです。たまたまですが、すごいシンクロしていますよね。

ーーその偶然はすごいですね。「斬」というコンセプトに色々な意味が重なっていくのも、本作のポイントと言えそうです。撮影現場でのエピソードも教えてください。

MAKIDAI:VERBALくんを中心に皆さんとコミュニケーションをさせていただいたのですが、途中でCLさんとMethod Manの話になって盛り上がったのが印象的でした。世界的なカリスマなのにフランクで、とても一緒に仕事がしやすい方でした。

DARUMA:殺陣の斬られ役の方がプロだったので、めちゃくちゃ気持ち良かったです。その場で動きをレクチャーしてもらって、その通りに動いただけなんですけれど、実際に仕上がった映像を見たら、敵をズバズバ斬り倒していて、「おお、俺強いじゃないか!」みたいな(笑)。もちろん、それは切られ役の方のスキルなのですが。

MAKIDAI:DARUMA氏が袴を着てハイジャンプするシーンなんて、まるで『マトリックス』なので、ぜひ皆さんに見ていただきたいですね。あと、VERBALくんの後ろ斬りもキマっている。

VERBAL:あれは怖かったです(笑)。真剣じゃないんですけど、やっぱり当たったら痛いじゃないですか? ズバッといってくださいと言われるんですけれど、ちょっと萎縮しちゃって。でも、言われた通りに思いきってやると、うまく切れている感じになるんですよね。殺陣師の方々の仕事ぶりを感じられたのは、貴重な体験でした。

ーーAFROJACKさんがラストに登場しますが、彼はどんな反応をしていましたか?

VERBAL:ニック(AFROJACK)はその日、初めて袴を着たそうなんですけれど、僕らと感動するポイントがちょっと違う感じでした。撮影前のカメラチェックで、僕とニックがDJブースの前でふざけて踊っていたんです。絶対にこの人たち、DJしていないでしょう?という感じの映像なんですけれど、ニックは「これだよ!」とすごい気に入って、そこにばかりこだわっていました。それで、一年後くらいにようやく映像が仕上がるという段階になったときに、「あの映像、今回のプロモーションで使うよね?」と念押ししてきて、まだこだわっていたのかと(笑)。そこがユニークでしたね。

DARUMA:僕らは作品にリアルを求めがちで、DJシーンの配線が繋がっていないとか変に細かい部分を気にしがちなんですけど、ニックはそれよりもノリ重視というか良い意味でのおふざけ感を大事にしていて、そういうスタンスも全然アリなんだなと、勉強になりました。

MAKIDAI:考えていないようで、すごく考えていますよね。VERBALくんから刀を受け取るシーンとか、普通に受け取っても面白くないからといって、焦りながら受け取る演技をアドリブで入れたりとか。実際に使われたのは、目をそらすバージョンでしたが。楽しみながら表現することに対して貪欲で、刺激を受けました。

ーー楽曲のエディットに関しては、AFROJACKさんはどんな仕事を?

DARUMA:やっぱり大胆です。抜くところはズバっと抜く感じで。僕らだと楽曲のバランスが崩れてしまわないかを考えて慎重になるところを、ニックは「ここはいらないよ」と言って思いっきり“CUT IT UP”しちゃう。

MAKIDAI:結果的にそれでメリハリが付いて、ラップの美味しいところが際立っているし、音数が少なくても十分聴ける作品に仕上がっているのがすごいです。

VERBAL:ニックが少し前に日本の「SEL OCTAGON TOKYO」に来たとき、気合いを入れたDJセットだと聞いていたので、観に行ったんです。それで「こういう曲も使うんだ」とか思いながら聴いていたら、次から次へとアンセムを投入しまくっていて、フロアもドッカンドッカンなっていたんですよ。それで、ふと時計を見たらまだ開始してから17分くらいしか経っていなくて。改めてすごいDJだなと感じました。

MAKIDAI:以前、会食の後にみんなでDJをやって遊んだことがあったのですが、ニックはポンっとブースに入って、自分のファイルじゃないのにバンバン超絶プレイを繰り出していて。DJとしても桁が違います。

ーーCLさんは楽曲制作の際、どんな感じでしたか?

VERBAL:CLは日本に来たときに一緒に録ろうと考えていたのですが、スケジュールが合わなくて、遠隔での仕事になりました。たまたまロサンゼルスにm-floの☆Taku Takahashiがいたので、ちょっと録ってきてくれない?と頼んで。CLは繊細なアーティストだから、見知らぬ人にディレクションされるのをあまり好まないんですけれど、☆Takuは前にも仕事をしたことがあるし、あの通り、テディベア的な癒しキャラなので(笑)、彼女もやりやすかったみたいです。もともと1バースの予定だったのが、☆Takuがうまくディレクションしてくれて、たくさん録ってきてくれました。

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