岡崎体育が歌詞にまでして歌い続けてきた夢の場所 たまアリ単独ライブを振り返る

岡崎体育、たまアリ単独ライブを振り返る

 続く「R.S.P」では恒例の、岡崎体育とじゃんけんして勝った人が踊れるやつに突入。「最初はグー! じゃんけんぽん! パー出した奴は、お、ど、れー!」という叫びでアリーナもスタンドもジャンプの渦と化す。

・最初のMCで、彼が事前に公言していた「会場に入った段階で3つおもしろいことがある」件の、答え合わせが行われる。

(1)花道がとてつもなく細い:アリーナ中央のセンターステージに向かって伸びる花道、平均台くらいの細さ。経費削減のため、と本人が説明。

(2)センターステージの飾りがエノキ:フジロックのフィールド・Gypsy Avalonみたいにステージの周囲を花で囲む装飾、時々見かけますが、あの花の代わりにエノキが並んでいる。本人曰く「花って高いんですよ」。

(3)会場の運営スタッフに藤木直人がまぎれこんでいる:ステージ前の柵のところにスーツ姿でいた。ということが明かされ、たまアリが驚きに包まれる。それぞれと仕事をしている音楽プロデューサーがつないだ縁で実現したとのこと。岡崎体育にうながされてステージに上がった藤木直人、「最前列でフェンス押さえてました」。

・そこから「感情のピクセル」「からだ」を経て披露された新曲「Naked King」は、画面に「心のキレイな方のみ聴き取れる周波数でパフォーマンスしております」というもの。この日最初の“曲の中での爆笑”だった。

 岡崎慎司から祝福のDMが届いた、というMCから続いた〈バンドざまぁみろ〉でおなじみの「FRIENDS」は、てっくん(岡崎体育のステージ上唯一の友達)のセリフがたまアリバージョンに。ラッキーアイテムで爆笑を取る占い曲「Horoscope」で、1部は終了。

・「岡崎体育とバーチャル食事デート体験」の中の会話の流れにしたがって、2部の1曲目「今宵よい酔い」では、岡崎体育、ワイヤーに吊られて登場。オーディエンスの度肝を抜く。「MUSIC VIDEO」のショートバージョンから、平均台花道を通ってセンターステージに移り、2コーラス目で歌詞がとんであせりまくる心の中をモノローグする「Voice Of Heart」。この曲でセンターステージがせり上がる。本人「やりたいことやってまーす!」。てっくんのメジャーデビュー曲「フェイクファー」も、センターステージで歌われる。画面には同曲のMVが映し出された。

 で、MCしながらメインステージに戻ったところで、雰囲気が変わる。「6年前に作って1回もライブでやってない、初めて披露するならさいたまスーパーアリーナだと決めていた」という「スペツナズ」と、このたまアリ公演を発表した直後、深夜のホテルで襲われた感覚を曲にした「龍」。この2曲を、せつせつと歌う時間。「龍」はピアノの弾き語り。そして、「初ライブの1曲目」だった「Okazaki Hyper Gymnastic」でもう一度盛り上がって、2部が終了。

・3部は、ライブで1曲目に持ってくることが多い鉄板曲「Stamp」でスタート。岡崎体育は原チャリに乗って(ちゃんとヘルメットもかぶって)登場した。「みんなの近くに行くから!」と、次の曲でトロッコに乗ってアリーナの外周を回り始めるが、聴いたことのない曲。新曲かな……と思っていたら、サビの歌詞は〈みんなが全然知らない曲でトロッコ回んな。今日初披露の曲でーー〉。爆笑。アリーナを半周まで行ったところで曲が終わる。残りの半周は、このライブが半年後に映像作品としてリリースされた時の副音声を模した(というか先取りした)曲「オーディオコメンタリー」で回り切った。また爆笑。

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