Clean Banditの形式に捉われない自由なライブスタイル 大所帯バンドで見せたZepp Tokyo公演

Clean Banditの自由なライブスタイル

 また、Clean Banditのライブを観ていて印象的だったのは、決まった形式に捉われない自由なライブスタイル。男性陣が後方に、女性陣が前方で会場を盛り上げていくのだが、曲毎にメンバーそれぞれのパートは変わっていく。公式にジャックのパートがベース、サックス、キーボードと複数記載されているのがいい例だ。オリジナルメンバーのグレースが、ボーカル2人から少し引いた場所で演奏しているというのも、ある種このユニットの特殊なポイントであるが、本編ラストの「Tears」では女性陣4人が横並びになり愛らしいダンスステップを踏んだりと、ライブを一番楽しんでいるのはメンバー本人なのではと思わせんばかりのはしゃぎようだ。アンコールでは、日本での買い物で見つけたといううさぎの帽子(TikTokで流行している)を女性陣が、カニの帽子を男性陣が被り、「Rather Be」を披露。最後まで日本愛を感じさせるパフォーマンスと共に、彼らはステージを去っていった。

 「和洋折衷」の言葉が似合うアーティストは、Clean Bandit以上にきっといないだろう。クラシックにEDMを織り交ぜたそのサウンドや、異国の文化を取り込んだMVにも明らかだ。「Baby」にはSEKAI NO OWARIのNakajinがギターに参加しており、今回の来日中、Clean BanditのInstagramにはSEKAI NO OWARIのメンバーとスタジオに入っている様子がストーリーで投稿され、すでにファンの間で話題となっている。その詳細が伝えられるのはまだまだ先のことになりそうだが、また彼らが愛する日本に楽曲を届けてくれるのは確かだろう。

(文=渡辺彰浩/写真=笹森健一)

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