ZIGGY、KAATO、The Damned Things……クラシックロックをベースにした新譜6選

 5組目はイタリア出身の4人組バンドGiuda(ジューダ/イタリア語で“Judas”の意)。もともとTaxiというパンクバンドで活動していたメンバーが2007年に結成し、2010年にアルバム『Racey Roller』でデビュー。ヨーロッパをベースにツアーを続け、近年は主要ロックフェスへ参加するなど徐々に活動の場を広げています。

Giuda『E.V.A.』

 日本デビュー作となる4thアルバム『E.V.A.』で聴けるサウンドはハードロックというよりも、サイケデリックロックなどのルーツロックをベースにしたガレージ色の強いもの。今回紹介する5組の中では一番スカスカのサウンドでメタル度も低いものの、どの曲もキャッチーで親しみやすくライブ映えするものばかり。The HellacoptersやThe Hives、あるいはFoo Fightersなどが好きというリスナーにもアピールする魅力を存分に備えた、妙にクセになる1枚です。

GIUDA - Space Walk (Official Music Video)

 最後に紹介するのは、スウェーデン出身のハードロックバンドCrazy Lixx。Motley CrueやGuns N' Roses、Skid Rowからの影響が強い彼らのサウンド/楽曲は、まさに前回の記事で紹介したバンドたちと共通点が多く、北欧のバンドらしい湿り気の強いメロディ含めここ日本にも根強いファンが多く存在します。

Crazy Lixx『Forever Wild』

 先日リリースされた2年ぶりの新作『Forever Wild』は楽曲のバラエティの幅も広く、拳を上げてシンガロングしたくなるメロディアスな楽曲が満載。ダニー・レクソン(Vo)の嫌味のないボーカルが湿り気の強いメロディにハマっていて、そこにDef Leppard風の多重録音コーラスが加わることで楽曲のゴージャスさがより増しています。と同時に、時代を感じさせない普遍性の強い楽曲が多いことも功を奏し、いつ聴いたとしてもその良さが風化することはないというエバーグリーンな魅力も備わっており、時代を超越したHR/HMの傑作のひとつと断言したいと思います。

Crazy Lixx - "Break Out" (Official Music Video) #RockAintDead

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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