MUCCが語る、“ホラー”コンセプトのZeppツアーと新たな編成で掴んだ手応え

MUCCが語る“ホラー”コンセプトツアー

「見やすく、聴こえやすくすることで、楽曲の世界観がさらに広がる」(逹瑯)

ーーで、そのトオルさんも引き続き参加する中野サンプラザのライヴ(『壊れたピアノとリビングデッド feat. 殺シノ調ベ』)ですが、今回のZeppツアーと何がどう違うんでしょうか。

逹瑯:もっと世界観が濃くなりそうですね、今準備してる感じだと。今回はストリングスも入るし。

ーー『殺シノ調ベ』というサブタイトルは、20周年の時にやったホールツアーみたいに、ストリングスが入るという意味だと。

ミヤ:その時にオーケストラとやったのがすごく良かったんで、今回のアルバムの世界観をそれで広げたくて。

逹瑯:もともと次にホールツアーをやるなら、また2017年の『殺シノ調ベ』みたいなのをやりたいっていう話もあって。

逹瑯(Vo)

ーーあのツアーの逹瑯くんの歌はとても良かったですね。

逹瑯:本当ですか。今回もそうなんですけど、鍵盤が入ってると唄いやすいんですよ。あと、あの時のツアーは「自分が出せる一番いい声で唄おう」っていうのがテーマだったんで、それが良かったのかな。

ーーだと思います。

逹瑯:ライヴハウスのカオスっぽいライヴもいいけど、ホールの整った環境で唄えるのも楽しいですよ。

ーー今回のライヴはストリングスが入る以外に何が違いますか?

YUKKE:もちろん演奏曲も変わりますし、今まで何回も聴いたことある曲でも、今回のコンセプトに則したアレンジになっているので、それを楽しみにしてほしいですね。

ミヤ:たぶん曲の響き方が違うと思います。普段バンド用にアレンジしてる曲を、ストリングスとか鍵盤も加わって、しかもそういう楽器を演奏するのに適した会場でやるわけだから。

ーライヴハウスのMUCCとはまるで違うと。

ミヤ:もちろん。MUCCはライヴハウスがベースにあるバンドだし音楽だから、それとは違うものになります。俺もオーケストラとかオペラとか、ホールで聴くコンサートがすごく好きだし、そういう別の音楽ジャンルで感じられる楽しさが絶対あると思う。

逹瑯:たぶんライブヴハウスだとぶっきらぼうに「感じろ」「言わなくてもわかるだろ」みたいな感じで表現してるものを、ホールだと視覚的な面もふくめてわかりやすく提示できると思うんですよ。見やすく、聴こえやすくすることで、楽曲の世界観がさらに広がる。そういうライヴになると思います。

ミヤ:あと、よくバンドがオーケストラのアレンジでライヴやったりするのって、大抵はオーケストラの人がアレンジしたものを「どうですか?」ってバンドに提示して、それを合わせていくんですけど、MUCCはそうじゃないんで。オーケストラのアレンジも俺が全部やってるんで、そこは大きな違いだと思います。

ミヤ(Gt)

ーー譜面まで書いて演者に渡すと。確かにそこまでやるバンドは少ないかもしれないですね。

逹瑯:あと前回の『殺シノ調ベ』とストリングスの編成も少し変わってるんで。それは観てのお楽しみってことで。

ーーさらに先日発表されましたが、7月1日からは怒涛のライヴハウスツアーが始まります。これも相当無茶なスケジュールですが。

逹瑯:なんかこんなになっちゃいましたね。

ミヤ:でもこのツアーで47都道府県制覇できるんで。

ーーヤンキー的な発想です(笑)。

逹瑯:これは俺が言い出しっぺなんですけど、バンドに時間がある時に地方へライヴをやりに行くっていうのを長いスパンでやったら面白いかなと思ったんですけど、いざこうやってスケジュールが組まれると、もはやこれを終わらせないと次のことが何も考えられない状態というか。

ミヤ:そもそも次のアルバムの曲を作るためのツアー、っていうのが逹瑯の言い出したことなんで、それをやるってことです。

ーーなるほど。『収監』ツアーの詳細はホールツアーが終わるタイミングでまた伺うことにしましょう。では最後にミヤくんに聞きますが、今回のツアーでピアノを弾いてみてどうでしたか?

ミヤ:まぁ……プロのピアニストが弾けない感じのことはできたかなって。

ーー自信たっぷりです(笑)。

ミヤ:それだけ練習しましたからね。あと、ギターだと気にならなかったメンバーのいろんな部分が、ピアノだと気になるところがあって。例えば逹瑯のブレスのタイミングとか。 逹瑯:ピアノと歌だけで始まる曲の時に、ミヤがピアノを弾くのに持ってる“間”みたいなものと、俺の唄いたい“間”が合わなくて。

ミヤ:もし逹瑯がピアノを弾ける人だったらそこは合うはずなんですよ。でもそうじゃないから変なタイミングでブレスが入ってくるから気持ち悪くて。

ーーMUCCはそこがいいんですよ。

ミヤ:や、良くない。だってそこに音符がないんだもん。次はホールだし、そこは改善していきたいです。

ーー人の話を聞きなさい(笑)。MUCCはそれでいいんですよ。

ミヤ:バンドはそれでいいんだけど、やっぱりピアノはなぁ……(遠い目)。

(取材・文=樋口靖幸/写真=西槇太一)

■ツアー情報
『壊れたピアノとリビングデッド feat. 殺シノ調べ』
5月1日(水・祝)中野サンプラザ
5月2日(木・祝)中野サンプラザ
5月19日(日)名古屋特殊陶業市民会館ビレッジホール
6月9日(日)グランキューブ大阪
 
OPEN 17:00 / START 18:00 ※共通
[チケット]
前売 全席指定 ¥6,900
※未就学児入場不可
一般発売中

『MUCC 2019 Lock on snipe tour #4「東北型壊れたピアノとリビングデッド収監6days」』
7月1日(月)青森県 青森Quarter
7月3日(水)秋田県 Club SWINDLE
7月5日(金)岩手県 Club Change WAVE
7月6日(土)山形県 山形ミュージック昭和Session
7月8日(月)宮城県 Rensa
7月9日(火)福島県 郡山CLUB #9

『MUCC 2019 Lock on snipe tour #5「中国型壊れたピアノとリビングデッド収監5days」』
7月15日(月・祝)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
7月17日(水)広島県 広島CLUB QUATTRO
7月18日(木)山口県 周南RISING HALL
7月20日(土)島根県 松江 AZTiC canova
7月21日(日)鳥取県 米子 AZTiC laughs

『MUCC 2019 Lock on snipe tour #6「中部型壊れたピアノとリビングデッド収監6days」』
8月27日(火)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
8月29日(木)愛知県 ElectricLadyLand
8月30日(金)愛知県 ElectricLadyLand
9月1日(日)三重県 CLUB ROOTS
9月6日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
9月8日(日)岐阜県 岐阜club-G

『MUCC 2019 Lock on snipe tour #7「九州型壊れたピアノとリビングデッド収監9days」』
9月14日(土)沖縄県 桜坂セントラル
9月15日(日)沖縄県 桜坂セントラル
9月18日(水)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING
9月19日(木)鹿児島県 SR HALL
9月21日(土)長崎県 DRUM Be-7
9月23日(月・祝)福岡県 DRUM LOGOS
9月25日(水)佐賀県 SAGA GEILS
9月27日(金)熊本県 熊本B.9 V1
9月28日(土)大分県 DRUM Be-0

『MUCC 2019 Lock on snipe tour #8「関西型壊れたピアノとリビングデッド収監7days」』
11月10日(日)和歌山県 和歌山CLUB GATE
11月12日(火)滋賀県 滋賀U★STONE
11月14日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
11月15日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
11月17日(日)奈良県 奈良NEVER LAND
11月19日(火)大阪府 ユニバース
11月30日(土)京都府 KBSホール

オフィシャルサイト

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