HIROOMI TOSAKA、みやかわくん、蒼井翔太……個性溢れる男性ソロアーティストの新作

RYUCHELL『SUPER CANDY BOY』

 タレントとしてはもちろん、ジェンダーの問題を中心にしたコメントや活動でも大きな注目を集めているりゅうちぇるが、アーテイスト・RYUCHELLとして1stアルバム『SUPER CANDY BOY』をリリース。ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)とのコラボによる「Hands up!! If you’re Awesome」、LINDBERGの名曲「今すぐ Kiss Me」にエレクトロアレンジを施したカバー、“多様性”をテーマに掲げ、アーティストとしての姿勢を明確に示した「Diversity Guys!」などの既存曲に加え、1980’sユーロビートを想起させるダンスチューン「Beautiful Dreamer」、愛する人に向けて純粋でまっすぐな思いを綴ったレゲエナンバー「You are my Love」などの新曲も収録。 “誰もが持っている個性を、隠したり偽ったりせず大切にしてほしい”というメッセージが全編を貫く、色彩豊かで前向き、きわめて現代的な意匠に溢れたポップスアルバムだ。

【OFFICIAL】RYUCHELL(りゅうちぇる) "You are my Love" Music Video

蒼井翔太『Tone』(通常盤)

 『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの美風 藍役で注目を集めたことをきっかけに多くのアニメ/ゲーム作品に出演する一方、アーティストとしては2016年に日本武道館公演、翌年には代々木第一体育館公演を成功させるなど、声優、歌手、舞台など幅広いフィールドで活躍している蒼井翔太の通作10作目となるシングルの表題曲「Tone」は、彼自身も神崎 澪役で出演するTVアニメ『この音とまれ!』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ。〈君の音色(Tone) 僕の音色(Tone)〉というフレーズで始まるこの曲は、爽やかさと切なさが交じり合う旋律、感情の起伏と重なるように飛び跳ねるリズムを軸にしたナンバー。繊細な手触りと解放感を兼ね備えたボーカルを活かしたサウンドメイクも本作の魅力だ。カップリングには蒼井の作詞・作曲によるエレクトロテイストの楽曲「奪えないもの」を収録。〈奪いたくても叶わない〉、切実な感情を描いた歌詞も強く心に残る。

蒼井翔太「Tone」MUSIC VIDEO (short ver.)

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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