乃木坂46『プリンシパル』が生んできた数々のドラマ 舞台の歴史と4期生の注目メンバーを解説

 先日、「第44回菊田一夫演劇賞の演劇賞」を受賞した生田絵梨花を筆頭に、グループ卒業後、舞台女優としても活躍している生駒と若月佑美、現在も堅実に舞台の出演数を増やしている井上小百合、樋口日奈、伊藤純奈、3期生からも山下、久保史緒里、梅澤美波と舞台女優として輝くメンバーを輩出してきた。『プリンシパル』とは、ほかの坂道シリーズにはない乃木坂46のみの取り組みであり、舞台のみならず、異なるフィールドで一人で活躍するための強靭な忍耐力や精神性を築いたグループにとっては欠かすことのできない公演である。

 今回初公演となる4期生は、昨年12月に開催した『お見立て会』、今年3月の『7th YEAR BIRTHDAY LIVE』に続くステージ。日本武道館、京セラドーム大阪のような数万人規模の会場で泣き笑いを見せてきた4期生が、先輩たちの恩恵を受けず、自分たちの足で初めて舞台に立つ。『お見立て会』よりも一人ひとりの真価が発揮される“真のお見立て会”と言ってもいい。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)での紹介や雑誌、配信番組、ラジオなど徐々に露出が増えてきた4期生だが、彼女たちはここで大きく変貌を遂げることになるだろう。

 注目メンバーを挙げるとすれば、ギャップを見せてほしいという思いを込めて、4期生の暫定センターでありながら未だ秘めたポテンシャルを感じさせる遠藤さくら。北川悠理は人見知りというイメージを払拭できればそれがそのままプラスに変わっていくだろう。筒井あやめは『お見立て会』で乃木坂46最年少の14歳とは思えないコメント力を見せていたが、プリンシパルのオーディションにおいてもさらにファンを驚かせてくれることが想像できる。人懐っこいキャラクターと運動音痴が上手くハマり『乃木坂工事中』で脚光を浴びた掛橋沙耶香や“乃木坂46オタク”として披露した「ナカダカナシカ」「焼きそばパン」コールでファンの心を掴んだ矢久保美緒などが票を獲得し、そのまま二幕に進むこともあり得る話だ。

 『プリンシパル』で人気が爆発した3期生は、その後に全8公演の単独ライブが開催された。4thアルバム『今が思い出になるまで』には4期生楽曲として「キスの手裏剣」が収録されるが、3期生が経験したドラマ以上のものを4期生が見せてくれるのかにも期待がかかる。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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