超特急が振り返る、初のSSA公演と新たな夢「僕らの黄金時代はまだ始まったばかり」

超特急が振り返る、初のSSA公演

全員が持てるパワーを出し切ったライブ(リョウガ)

ーーそのあとのバラードコーナーでは「Fashion」(2018年のシングル『Jesus』収録)初披露もありました。

ユーキ:あえてあまり細かい振りを組み込まずに、世界観で魅せていく曲でしたね。そして誰よりもタカシが映える曲じゃないかと。

タカシ:この曲は超特急では初といっていいくらい、大半がファルセットを使う曲なんですよ。だから最初にいただいたときに、ライブで披露するビジョンが見えなかった部分があって……表現が独特だってよくいわれるんですけど、この曲に限らずバラードを歌うときはわりと、よくわからないような気持ちになるんです。ハラハラしたりワクワクしてるときは、僕の感覚ではちょっと気持ちが散漫になっているタイミングなので、このうまく説明できないような気持ちになれるのが、ボーカリストの僕にとっては正解だと思っていて。

ーー集中して歌えているということでしょうか。

タカシ:そうですね、まさにこの「Fashion」でいまだ感じたことのないそういう感情になれたことが、このライブでは大きかったと思います。

ーータクヤさんはこの曲が特に好きだとおっしゃってましたね。

タクヤ:リリースからだいぶ引っ張っての初披露だったので、僕らとしても溜まっていた思いをここで解放できたと思います。個人的にはこの曲から僕がプロデュースした衣装だったので、このコーナーはお気に入りです。生地から選ばせてもらったんですけど、トップスもボトムもそれぞれ光沢のある生地を使ってます。パンツの生地はみんな一緒で、でもシャツはメンバーやパーツによって生地を変えてますね。スタイリストさんにこだわって作ってもらった世界に一着ずつの衣装なので、思い入れがあります。

ーー大阪公演ではカイさんが衣装をプロデュースされてましたね。インスタでも解説がありましたが、さいたまも大阪もニュアンスの違うモノトーンのアイテムで統一されていて素敵でした。

カイ:僕らのプロデュースした衣装が8号車の方々に反響があったのもうれしかったですね。そこ以外のブロックでは各自メンバーカラーのカラフルな衣装なので、ここからモノトーンで引き締めるのもいいかなと思って。

ーーこのバラードコーナーではペンライト消灯のお願いがあって、超特急のライブとしては異色なほどしっとりとした演出に引き込まれた方も多いと思います。

タクヤ:僕から提案して、ここはペンライトをどうしても消してほしいって。

ユーキ:みなさんのペンライトの美しさもいいですけど、そのあとの「FLASHBACK」(2013年発表)も含めてここは僕たちのパフォーマンスに集中してほしい、というゾーンだったので。「霖雨」の照明もステージ映えしてキレイだったと思います。

ーー「霖雨」でピアノを初披露したリョウガさんの表情もしっかり抜かれていましたが、あんなに真剣な表情を見るのはおそらく初めてという方も多かったのではないかと……。

カイ:いつも飄々としてるこの男(リョウガ)が、すごい顔してましたからね(笑)。

リョウガ:「霖雨」はこの日初披露で、ピアノ演奏も本当に初めて8号車に見せるわけですし、ライブ中盤でいったん会場の空気をクールダウンさせるという意味でもすごく大事な楽曲でした。大げさな言い方かもしれないですけど、このパフォーマンスが上手くいくかどうかがライブ後半の命運を握っているような感じがあったので、正直、これまでのライブの中でも一番緊張しました。でも集中すると鍵盤しか見えなくなってしまうので、ミスタッチは何箇所かあったと思うんですけど、最終的にはすごく気持ちよく弾けましたね。

ーータカシさんの歌声や表情も、これまでになくエモーショナルで印象深かったです。

タカシ:「霖雨」に関しては僕の歌とリョウガの弾くピアノ、その場で生まれる生の音の組合せなので、自然と出るものを表現していきたいという気持ちが強くて。なので、いろんなことをあらかじめ決めこまずに臨みました。この曲は喪失感をテーマにしている曲なので、自分にとって本当に大切な存在、それを失うことになったら嫌だなって……ライブがスタートしてそこまでの間にずっとそんなことを思いながら気持ちをギリギリまで膨らませて、歌う瞬間に針を刺して爆発させた、みたいなイメージでした。このSSA公演ではボーカリストとしてのピークをこの曲に持ってきたかったというのがあります。

ーーこの曲ではみなさんのコンテンポラリー風のダンスもかなり迫力がありました。

ユーキ:感情が露わになるようなダンスでしたね。僕の中でも「霖雨」はこのライブのキーになるポイントだったので、かなりこだわりました。大阪公演では全員が踊るバージョンにしたんですけど、このSSAは特別なものにしたかったというか。

ーーいろんな見どころがある中で、深い悲しみをたたえた「霖雨」から明るく視界が開けるような「a kind of love」への展開が、本当に鮮やかで。

カイ:「霖雨」は重ための演出でしたけど、ライブ全体は明るく楽しんでいただきたいですしね?

ユーキ

ユーキ:「a kind of love」は今の僕らの第一歩といえるシングルでもあったので。観てくれている方もすぐには気持ちを切り替えられなかったかもしれないけど、“これからも僕ららしく、明るく進んでいきます”という気持ちの現れとして、ここにこの曲を持ってきましたね。

ーーここから「Burn!」「超えてアバンチュール」「SAIKOU KOUSHIN」「SAY NO」と、もう盛り上がるしかないアッパーな曲が続きましたけど、本編エンディングで初披露された「Time of GOLD」のカラフルな特効80連発もすごかったですね。アルバムのインタビューのときの予告通り、みんなで踊れるようなパートもあって。

ユーキ:曲自体はかっこよくてクールな感じなんですけど、ここは8号車と一緒に踊れるようにしたいなって考えて振付を組み立てていったので。特効ももちろんですけど、あの一体感が黄金時代の幕開けにふさわしい、ですよね? 

ーーまさにおっしゃる通りでした。アンコールでは、あのキャパの会場で隣の席の方と連結する振りのある「走れ!!!!超特急」などもあって、ほっこりした気分にさせられましたが。スケール感のある「You know, I know」の初披露もありました。

ユーキ:現状の自分が置かれている状況から一歩踏み出す勇気、みたいなものをストレートに歌った、ある意味僕らのことを描いているともいえる曲で。この曲はさっきの「Time of GOLD」とはまた違う一体感のある曲なので、ここに持ってきましたね。

ーーそしてWアンコールでトドメに炸裂した「超特急です!!!!!!!!」のテンションは尋常じゃなかったですね。あの演出は作詞作曲されたユースケさんの発案だと聞きました。

ユースケ:メンバーの登場の仕方はユーキと一緒に考えたんですけど、超特急ってヒーローっぽいなと常々思ってきたので、ここでは戦隊ヒーローっぽい登場の仕方を絶対したくて。それで“ポップアップで登場したらどうかな?”ということになったんです。最終的にはイントロの尺を長めにしてもらって、1人ずつヒーローになったつもりで自分の特徴をアドリブで言って変身! みたいな感じにしちゃいました。

ーーみなさんの口上、めちゃめちゃ的を得てるなと思ったんですけど、リョウガさんのだけ長くて聞き取れませんでした。

リョウガ:正解は「漆黒の闇を統べる漆黒の闇の帝王」です。僕の活舌がよすぎてすみません!

カイ:そのワードセンス、どっから出てくるんだよ。

ーーこの曲での全力感は、本当にすごかったですね。

リョウガ

ユースケ:確かに(笑)。振付のえんどぅさんが僕が考えた動きをサビで取り入れてくれたんですけど、それもかなり全力感があったと思うので。歌詞も曲も、ダンスのフォーメーションまで悩みに悩んで作った楽曲で。自分が待ちに待ってたこともありますけど、8号車さんも最初の発表から1年間待っていてくれただろうと思うから、みんなが楽しんでくれていたらそれに越したことはないなと。

カイ:ライブ一本やってWアンコールなのに、マジでマラソンですからね。

ーーラストでタカシさんはへたり込んでましたもんね。髪もくしゃくしゃで。

タカシ:さいたまはこの日しかないですし、本当に最後の最後なので、ここでやり切らなかったらどこでやり切るんだ! と思って。そしたらやり切りすぎました(笑)。

ユースケ:うん、そばで見ててタカシのテンションは本当にすごかった。

リョウガ:映像見ていただければ伝わると思うんですが、本当に全員が持てるパワーを出し切ったライブだったと思います。

ーーこれまでの超特急の年末ライブはラストが感動的な流れになることが多かったですけど、今回は笑顔で終わりましたね。

ユーキ:僕らの黄金時代、まだ始まったばかりですから。これからを楽しみにしてもらえるような明るいライブにしたかったというのはあります。最後、ぶっ飛んで終わりましたけど(笑)。

ーー最初のみなさんのコメントに話が戻るんですが、いい意味で余裕を感じさせるような部分もあって、かっこよく魅せる部分とおふざけな部分だったり、メリハリのつけ方も進化しましたよね。

タクヤ:個人的に今までで一番といっていいほど楽しかったライブですね。超特急にとって年末はいつも大切な節目のライブになっているんですけど、それが楽しくできるようになったことも僕たちの進歩かなと思います。

ーー過去最大キャパのこのアリーナツアーを経て、4月からはホールツアー『EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars〜』に突入するわけですが。最後に今のところの意気込みを、演出に参加されるユーキさんにうかがいたいです。

ユーキ:せっかく全国開通するので、初開通の会場はもちろんひとつひとつの公演を大切に回っていけたら。春から夏という季節を感じてもらえるようなセットリストになるだろうなと思っています。SSAもそうでしたけど、このツアー全体を通して超特急の懐かしい部分と新しい部分をうまくミックスして、いろんな意味で僕らの成長を見せられるツアーになると思うので。楽しみにしていただけたらと思います。

190325_ctk_3
190325_ctk_4
190325_ctk_6
190325_ctk_7
previous arrow
next arrow
190325_ctk_3
190325_ctk_4
190325_ctk_6
190325_ctk_7
previous arrow
next arrow

(取材・文=古知屋ジュン)

■リリース情報
『BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH AT SAITAMA SUPER ARENA』
発売:2019年3月27日
【通常盤】
価格:¥4,800(税込)
仕様:1 Blu-ray
Blu-ray収録曲
1. Overture
2. No.1
3. Drive on week
4. Believe×Believe
5. BREAK OFF
6. PUMP ME UP
7. Booster
8. ขอเสียงหน่อย (コーシエンノイ)
9. Time Wave

BULLET TRAIN CENTER Medley
 10. ikki!!!!!i!!
 11. Bloody Night
 12. POLICEMEN
 13. Shake body
 14. TRAIN
 15. need you

16. Fashion
17. FLASHBACK
18. 霖雨
19. a kind of love
20. Burn!
21. 超えてアバンチュール
22. SAIKOU KOUSHIN
23. SAY NO
24. Time of GOLD

ENCORE
25. You know, I know
26. Party Maker
27. 走れ!!!!超特急

W ENCORE
28. 超特急です!!!!!!!!

<おまけ映像収録>
通常盤のみ、大阪城ホール公演(2018年12月26・27日)のエンドロール後に“おまけ映像”として上映された「超特急です!!!!!!!!」のダンス動画を収録。
※YouTubeで公開されている映像と同内容です。
※同時発売のLoppi・HMV限定盤には収録されません。

先着特典はオフィシャルHPにて

【Loppi・HMV限定盤】
価格:¥8,400(税込)
仕様:1Blu-ray + Arena Tour 2018 Memorial Photo Book『THE EPOCH』(64ページ予定)
※Blu-ray収録曲は通常盤と同内容ですが、通常盤おまけ映像「超特急です!!!!!!!!」ダンス動画は収録されません。

オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる