メトロック、ビバラ、JAPAN JAM……ラインナップに表れる、春フェスそれぞれの特色

春フェスそれぞれの特色は?

 最後にJAPAN JAMを紹介しよう。このフェスは、あえて言葉にするならば、メトロックとビバラの中間的立ち位置にあるように思う。大衆性も意識しながらも、ライブハウスバンドも程よくブッキングしているような、そんなイメージだ。ただ、それ以上にこのフェスの特徴としてあるのは、アーティスト同士がコラボするステージを数多く用意していること。これによって、ラインナップの文脈やフェスの歴史とはまた違う部分で「そのフェスでしか体験できないもの」を与えようとしている。枠の中から混沌としたものが生まれていくという意味で、JAPAN JAMというフェスには、WEB的な要素を強く感じる(企画制作のロッキング・オン・ジャパンにはROCK IN JAPAN FESTIVALという夏のメガフェスも控えているため、春はこのような独自路線を築くことができているとも捉えられる)。今年はコラボステージの有無についてまだ発表されていないので、それについては公式からの続報を待ちたい。

 このように、一見すると似たようなアーティストがブッキングされているように見える春フェスにおいても、それぞれ明確なカラーの違いがあるし、どのフェスにおいても、そのフェスならではの体験が提供されている。それぞれのフェスの違いを意識しながら、そのフェスに遊びに行くのもまた一興かもしれない。

■ロッキン・ライフの中の人
大阪生まれ大阪育ち。ペンネームにあるのは自身が運営するブログ名から。人情派音楽アカウントと標榜しながら、音楽メディアやTwitterなどで音楽テキストを載せてます。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる