Aqoursのシングルはユニットの“現在地”を示す? 「センター総選挙」踏まえて考察

 ユニット黎明期の起爆剤となった「恋になりたいAQUARIUM」と、新たな旅立ちへの期待に胸を弾ませる「HAPPY PARTY TRAIN」。どちらの楽曲も、Aqoursがその時々での課題を乗り越え、作品としての指針を示す役割を果たしてきた。つまり、ナンバリングシングルは、作品全体の“現在地”を映し出す鏡といえる。それでは、Aqoursは次なるシングルで何を歌うのだろうか。

 シングル『HAPPY PARTY TRAIN』発売後、TVアニメ第2期が放送。今年1月には、完全新作劇場版も公開となった。また、ユニットとしても全国ツアーや海外公演、ファンミーティングツアー開催など、精力的な活動を展開。なかでも、2018年11月の東京ドーム公演は、各メディアでも大々的に紹介された。さらに、同年大晦日には『第69回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出演。彼女たちは、右肩上がりでその“輝き”を強めている。

 前述した東京ドーム公演では、高槻かなこが今回のセンター総選挙について語る場面も。高槻は当日のステージ上で、自身演じる国木田花丸をセンターに立たせたいと強く宣誓。その後、自身のTwitterなどでも「自信を持って私が花丸ちゃんを引っ張っていきたい」と言葉にしてきた(参考:高槻かなこ 公式Twitter)。同作のキャストはそれまで、センター総選挙に対して明確な目標やコメントを濁していた印象がある。だからこそ、高槻のアティチュードは多くのファンにとって革新的に映ったことだろう。普段は内気な花丸の背中を、彼女の最大のファンである高槻が、優しく後押しするような結果となった。

 Aqoursは次なるシングルで、TVアニメ第2期や劇場版を経た上での“決断”を歌うのか。はたまた、センター総選挙で上位3名にランクインした1年生トリオの成長を基軸とするのか。それとも、寺生まれの国木田花丸をフィーチャーして、楽曲はインドのダンスミュージックことバングラビート仕立て、アニメMVでも仏像が次々と飛び出してくる……といった可能性は低いだろうが、思わずそんな期待さえ膨らんでしまう。ひとつだけ思い描けるのは、どんな楽曲にせよ、そこにはAqoursの“現在地”が確と刻まれていることだろう。

(文=青木皓太)

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