欅坂46 平手友梨奈、なぜ他アーティストからも愛される? 憑依型ダンスの表現力に迫る

SEKAI NO OWARI×平手友梨奈

 そんな平手の姿に魅了されたアーティストは、平井だけではない。平手自身が「尊敬するアーティスト」と語る、SEKAI NO OWARIとも、先日コラボを果たした。彼らの新曲「スターゲイザー」のMVで“普通の日常”を生きる少女役として出演した平手。公開されるやいなや、楽曲の世界観を見事に表現した平手の儚くて美しすぎる佇まいと、CGのように綺麗な月(本物)をバックに激しく舞う様が話題を呼んでいる。同曲の作詞・作曲を手がけ、さらにMVの脚本も担当したFukaseは、「最後のダンスシーンを観たとき、作詞作曲家でありながら言葉にならない気持ちになったのを覚えています。それは心温まるような、恐ろしいような、涙がこぼれるような、そういったものでした」(引用:SEKAI NO OWARI、欅坂46・平手友梨奈が新AL『Eye』収録“スターゲイザー”MVに出演)とコメント。また2月22日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でも、Fukaseは平手の踊りについて、「振付も本人にお願いしたので、僕もカメラが回るまで見たことがなかったため、すごく衝撃的でした」と明かしていた。

SEKAI NO OWARI「スターゲイザー」

 同MVでの平手のダンスシーンは2分にも満たない。だが、そのたった2分の間に“温かい/恐ろしい”など千差万別の感情を観るものに与え、無意識のうちに涙をこぼさせる。それはまるで「スターゲイザー」の歌詞のように〈時々頭がおかしくなる〉ほどに、彼女の一瞬の表情や動きから私たち観る側は、多くの情報と凄絶な感情を受け取り、それぞれ頭の中で自分なりのストーリーを作り出す。平手の心血を注ぐようなダンスは、観る側の心も深くえぐり取るように刺激し、想像力を掻き立てるのだ。生きる芸術のような平手のパフォーマンスは、そのたびに自分の一部を削り取っているようで、心身ともに相当な負担がかかっているのではと時に不安になってしまう。

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