Halo at 四畳半は音楽の力を信じ抜くーーバンド史上最大キャパとなったツアーファイナル公演を見て

Halo at 四畳半は音楽の力を信じ抜く

 そして、「お手を拝借、陽気な感じで」と言うと、「王様と兵士」をプレイ。再び場内はハンドクラップに包まれ、ミドルテンポのポップな曲調はショーの流れにいいフックをもたらしていた。ここから急カーブを描くように会場の空気は変わる。深淵なスケール感で迫る「マグとメル」、スクリーンに海や鳥、渋谷の交差点が映される中で「ヒューズ」を披露。渡井の透明感ある美しい歌声、その歌声にぴったりと寄り添う演奏に魅了されるばかり。「リバース・デイ」を挟んだ後、「この瞬間を生きる人間こそ美しい!」と高らかに告げると、「アルストロメリア」へ。「ウォー! ウォー!」の大合唱がマイナビBLITZ赤坂をすっぽりと覆い、もはやアリーナロックと形容したくなる壮大感で観客を一つに束ねていた。悲しい気持ちを共有した後は「フェロウ」、「カイライ旅団と海辺の街」、「モールス」とすごぶるアッパーな曲調で畳み掛け、歓喜の景色を作り上げていく。

 “悲しみとは? なぜ生きるのか?”そんな感情と向き合い続け、渡井は音楽に救われた経験があるからこそ、「次は自分たちの番だ!」とはっきりと宣言。本編ラストは「悲しみもいつかは」で堂々と締め括る。切なくも明るいメロディが飛翔し、聴く者の心を鼓舞するパワフルな曲調はこの日のハイライトと言っていい。「どんな逆境もあなたを救う!」と渡井は叫んでいたけれど、音楽の力を信じ抜いたバンドの、決意のこもったナンバーに多くの人たちが共感していた。

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 「魔法にかけられて」、「シャロン」のアンコール2曲を含む全19曲、約2時間に及ぶショーを終えると、「もっともっとでっけぇ夢見ようぜ!」と渡井は観客に約束するかのように言い放っていた。その余韻も冷めないまま、彼らは今年6月にミニアルバム、さらに7月19日にはZepp DiverCityでワンマンライブをやることも発表。悲しみを突き抜けて、自分たちのキャパシティをどんどん広げていくHalo at 四畳半から目が離せそうにない。

(取材・文=荒金良介/写真=オチアイユカ)

■セットリスト
『2018-2019"悲しみの朝の愛し方"』
2月9日(土)東京・マイナビBLITZ赤坂

1.ヒーロー
2.ステラ・ノヴァ
3.朝を迎えに
4.アメイジア
5.アストレイ
6.擬態
7.アンドロイドと青い星の街
8.春が終わる前に
9.王様と兵士
10.マグとメル
11.ヒューズ
12.リバース・デイ
13.アルストロメリア
14.フェロウ
15.カイライ旅団と海辺の街
16.モールス
17.悲しみもいつかは
En1.魔法にかけられて
En2.シャロン

■関連リンク
Halo at 四畳半 オフィシャルサイト

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