楠田亜衣奈は“ポジティブな空間”を創りだす天才 バースデーライブでファンに届けた幸せの魔法

楠田亜衣奈、バースデー公演レポ

 
 「アイ・アム」歌唱後、最後に訪れたのは「愛の試練」。ここでは「愛の魔法力を示せ」という、アバウトな内容が要求された。楠田はわずかに頭を抱えながらも、悩んだ末にくすサポにピンク色のサイリウムを点灯してもらうことに。彼女曰く愛に溢れた“ピンクの森”を再現したところで、等身大の愛の歌「アイナンダ!!」を披露した。そこからの「Smileプラス」で、全てのマジックハートストーンを獲得。パフォーマンス後のナレーションでは、彼女が一人前の魔法使いになった後、魔法の力で人々に幸せを届け、世界中を幸せにしたことが語られた。

 一人前の魔法使いになった楠田は、新たな装いでステージに再登場し「まいにち誰かのハッピーデイ♡」「ラブリージーニアス」を歌唱。ここで、くすサポとの“次の約束”が交わされることに。今年6月に『さんくっすん祭り』開催、今夏に5thフルアルバム発売、さらには同作を携えた東名阪ツアーが行なわれることが一挙に明かされた。

 今後の活動への期待に胸の高鳴りも止まないなか、この日のラストナンバーとして「POWER FOR LIFE」が届けられる。同楽曲は、ベーシストとしても活動する山田高弘が作編曲を担当。楽曲全体を通して、日々の生活への背中を押すような、躍動感あるベースラインが敷き詰められている。そんな「POWER FOR LIFE」を楽しそうに歌う楠田を見て、彼女がベースラインで表現された幸せの階段を、何段飛ばしにも駆け上がる様子がふと頭をよぎった。楠田の音楽活動が今まさに“充実の季節”を迎えていることは、その時の笑顔を見れば誰もが納得するに違いない。

 終演前には「30代、負けずに頑張っていくよ!」と力強く語ってくれた楠田。次なるフルアルバムも、“ポジティブパワー”の滾る一枚になることだろう。そんな明るい展望を確信させられたところで、この日のステージに幕が降りた。

 振り返れば、一人前の魔女となった楠田が世界中を幸せにしたように、この日のイベントも、希望に満ちたバイブスが細部にまで行き届いていた印象だ。客席を練り歩く身近な距離感や、時にはアクシデントさえ大きな笑いに昇華していた場面は、その象徴といえる。そんな“ポジティブ請負人”の楠田と再び出会う日まで、毎日を“ハッピーシンキング”に過ごしていきたい。

(取材・文=青木皓太/写真=江隈麗志)

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