Cherry Bullet、“TWICEの妹”ITZY、“BTSの弟”TXT…相次ぐK-POP新グループデビューの傾向

 YGエンターテインメントの新人男子グループデビューサバイバル『YG宝石箱』からも、ようやくデビューメンバーが決定した。『YG宝石箱』は韓国・中国人メンバーを含むチームA・B・Cの他に、YGが密かに日本国内で育成していた日本人練習生のみで構成されたチームJの4組でデビューが争われた異色のサバイバル。ウェブベースの番組だったため放送中はiKONらが誕生した『WHO IS NEXT』ほどの一般注目度はなかったが、参加練習生の知名度もあり、デビュー決定以降の注目度はやはり高いようだ。当時10歳で出演した『K-POP STAR』で、優勝した楽童ミュージシャンに決勝で敗れたものの、幼少時のマイケル・ジャクソンにも例えられた抜群の歌唱力でお茶の間の人気者だったパン・イェダムが『YG宝石箱』に参加。イェダムのデビューはサバイバル中もほぼ確実視されていた。しかしラップに転向してわずか数カ月という14歳の日本人練習生・ハルトのデビューが最初に発表。次いでイェダム、有名テコンドーグループに所属していたジョンファン、キッズモデル出身のジュンギュ、ボーカル対決でイェダムに勝利した経験もあるジョンウ、練習生期間は7カ月だが複数事務所からのスカウト経験のあるジェヒョク、『MIXNINE』でデビューする予定だったヒョンソクの7名がTreasureとしてデビューすることがアナウンスされた。最年長のヒョンソクが1999年、最年少のジョンファンは2005年生まれという歴代のYG男子グループの中でも平均年齢の若いグループになりそうだ。

TREASUREㅣSPECIAL CAM: FIRST SCHEDULE

 しかし、これだけで終わらないのがYGだ。新グループ名のTreasureが発表された翌日、「NEW LINE UP」の文字と共にもうひとつ別のグループ・MAGNUMのメンバー発表が予告されたのだ。新たに発表された6人のメンバー、ユンビン、マシホ、ドヨン、ヨシノリ、ジフン、アサヒのうち、なんと半数が日本人メンバーだった(マシホ、ヨシノリ、アサヒ)。2つのグループを合わせて、まずはTREASURE13としてデビューするという。かつてSMエンターテインメントが構想していたEXO-KとEXO-Mのような“シンメ”的な活動を韓国と日本で行うのか、また違う形式なのか。いずれにしろ、今後の動向に注目せざるを得ないプロジェクトだろう。

 今回紹介した中堅以上の大手事務所の新しいグループの全体的な傾向としては“多国籍化”、または各国に合わせた独自のグループ形成という点だろう。資金やある程度のビジネス拠点が海外にもすでにあり、長期的な海外へのビジネス展開を最初から視野に置くことが可能な事務所ならではかもしれない。また、低年齢化も近年の特徴で、以前は未成年デビューの方が珍しかったが、現在では逆転傾向にある。練習生になる年齢自体も以前は高校生が多かったが、現在は小学生も珍しくなく、逆に20歳を越えるともはや入所は厳しいとみなされつつあるようだ。これらのグループには、日本以上に目まぐるしく変化する韓国のエンタメビジネス事情が反映されているのかもしれない。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
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