けやき坂46唯一の三期生 上村ひなのはアイドルの神に選ばれし者? グループに与える影響を考える

 そして『お見立て会』では、「いつでもどこでも変化球、ひなのなの!」と登場した上村にこの日一番の歓声が。「私には変化球のように予測不能な顔が3つあります。暗い私、明るい私、アイドルの私。これからたったひとりのひらがなけやき三期生としてキラキラと輝いていきます。今日はここにいるみなさんのことをハッピーに動かしてみせるので、私のことをずっと見ていて下さい、約束です!」(引用:欅坂46&けやき坂46、新時代の幕開けを感じた『お見立て会』「欅坂46をアイドル界の頂点に!」)と、ひらがなけやきのモットーであるハッピーという言葉を入れつつ、ファンを動かすという目標も掲げる秀逸さ。そしてイベントの最後にステージの端で深々と頭を下げていた姿が印象的だった。

 『お見立て会』は漢字欅二期生9人と合同で行うだけに、自己紹介は最後で、一人だけ違うポーズと衣装だった上村。どこか素朴で儚げな表情や雰囲気という容姿もだが、言動がしっかりしているところや、出来上がっている一つのグループにたった一人で加入するという孤独な状況もまた、一人だけ漢字欅に遅れて参加した長濱と重なる。だが、一人だからこそ誰よりも目立ち、最も印象に残るのも確か。

 そんな『お見立て会』の翌日から始まった『ひらがなくりすます2018』では、毎日アンコールに登場した上村。スキップからの「いつでもどこでも変化球、ひなのなの!」と自己紹介、そして特技の早歩きを披露すると、ファンだけでなくメンバーからも歓声が上がり、ひらがなのマスコットキャラ的な地位を完全に確立した。スキップするだけ、早歩きするだけでこれだけ盛り上がるアイドルは他にいただろうか。

 また乃木坂46の秋元真夏も、目の前で「ひなのなの!」を見て、「まいやん(白石麻衣)も私も完全にメロメロ」(引用:秋元真夏オフィシャルブログ)とコメントするなど、お姉さんたちをも虜にしている。先輩やスタッフのおかげで、上村のキャラが確立したとも言えるが、それに答えられるだけの度胸と資質がないと成立はしないため、逸材なのは間違いない。4日連続で武道館出演という幸運なタイミングでの加入や、『お見立て会』で46番のクジを引くところもまた、アイドルの神に選ばれし者と言える。

 ひらがなけやきは絶対的なセンターを置いていないのが特徴だが、上村の加入で確実にグループのバリエーションが広がったはず。みんなの妹ができたことで、さらにグループの団結も強まることが予想でき、最高のメンバー補強ができたのではないだろうか。まだ自分らしさを出していないという上村を、グループ一丸となってじっくりと育てて行って欲しいと願わずにはいられない。

 さて、次回の『ひらがな推し』では、上村のどんな一面が見えるのか楽しみだ。果たして、その可愛さは本物なのか。アイドル界の歴史が変わる重要な日になるかもしれない。

(文=本 手)

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