島爺×ナユタン星人 特別対談 二人が語り合う、歌い手とクリエイターの最良の関係性

島爺×ナユタン星人 特別対談

 島爺が1月30日に3rdアルバム『三途ノ川』を発売する。島爺がニューアルバムを発表するのは2017年8月発売の『孫ノ手』以来、約1年半ぶり。今作には、ナナホシ管弦楽団が書き下ろした「爆釣ソウル」(テレビアニメ『爆釣バーハンター』(テレビ東京系)オープニングテーマ)や「アヴァターラ」をはじめ、ボカロPのナユタン星人が提供した「サンズリバーリバイブ」など、全20曲が収録される(通常盤のみボーナストラックを含めた21曲収録)。

【2019.1.30 Release】「三途ノ川」クロスフェード【島爺】

 リアルサウンドでは、活動当初から島爺のファンであったというナユタン星人と島爺本人の対談を企画。島爺とナユタン星人のファーストコンタクトから「サンズリバーリバイブ」の制作秘話、そしてそれぞれのアーティストとしての魅力を語り合ってもらった。(編集部)

ふたりの出会いから楽曲コラボに至るまで

サンズリバーリバイブ うたった【島爺】

――永遠の82歳・島爺さんと、地球から1那由多(10の60乗)光年離れた惑星出身のナユタン星人さん、というまさに異色のコラボですが、クリエイターとしては相思相愛と言える関係だと聞いています。まず、お互いのことを認識したタイミングから教えてください。

島爺:僕は「アンドロメダアンドロメダ」(2015年)ですね。ボカロ曲をあさっているときにこの曲を見つけて、「また面白い人が出てきたな!」と思ったのが最初です。

――デビュー曲ですね。どんなところが面白いと思いましたか?

島爺:当時、ボカロ曲は速いビートの曲が全盛やったんですけど、「アンドロメダアンドロメダ」はまったく違うアプローチで。シーンが成熟に向かうなかで、本当にターニングポイントになる作品なんじゃないかと思いました。

――ナユタン星人さんが地球の“侵略”を開始した第一歩からチェックしていたと。

ナユタン星人:うれしい……。僕はもっと先に島爺さんのことを知っていたんです。というのも、“侵略”の準備が整う前から、ニコニコ動画はずっとチェックしていたので。島爺さんはランキングに上がる有名曲より、知る人ぞ知るようなディープな曲を歌っていて、かつ多くのファンを抱えていて、本当にすごいなと。単純に歌声もめちゃくちゃ好きだし、実は島爺さんに歌ってもらうことも最初の目標の一つにあったりしました。シーン的には、新しい人が大ヒットを出す、というのがなかなか難しいという時期でしたけど、「島爺なら見つけてくれるだろう」と。

――1曲目で見つかっていましたね(笑)。ただ、島爺さんが実際に歌ったのは、2ndアルバム(2017年8月『孫ノ手』)に収録された、6作目の「エイリアンエイリアン」でした。

島爺:最初に見つけたとき、「歌ってみよう」というより、「ちょっと観察してみよう」と思ったんです。ほんまに異質で、でもリスナーはちゃんとついているので、ここから何かが起こるかもしれへんなと。そうしたら、あっという間にトントントーン!と(笑)、ほかの歌い手さんもどんどん歌うようになって――。

――島爺さんが歌うには、流行りすぎてしまった。

ナユタン星人:それは僕も感じていましたね。お互いまったく交流はなかったんですけど、見つけてはくれてるんじゃないかと。ただ、僕は島爺さんが歌うチョイスによって「その曲がより沢山の人に知られる」っていう現象がシーンにおいてあると思っていて、ナユタンよりもいちボカロファンとしては、自分の曲を歌うより、ほかの「もっと評価されるべき」な曲を歌って盛り上げてほしい、みたいな気持ちもあって。なのであとはもう、アルバムのリリースとかのタイミングで、その中の1曲に選ばれないかな〜と(笑)。

――すごく正確な分析で、実際にそうなりましたね。

島爺:リスナーのみなさんからも、「ナユタン星人さんの曲を歌って!」というリクエストはたくさんあったんですよね。「そらそうか、絶対合うしなぁ」と思っていて、2ndアルバムのときにお声がけさせていただきました。僕が歌いやすい楽曲を作ってくれている、というのはヒシヒシと感じていましたし(笑)。

ナユタン星人:「合う」というか、「合わせにいった」部分もあったので…(笑)。島爺さんが歌う「エイリアンエイリアン」を初めて聴いたのが、贅沢なことになんと1stライブ(『冥土ノ宴』2017年6月・赤坂BLITZ)の生歌で。感動というか、「この日が来たか!」と思いましたね。

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