西野カナ、初登場で1、2位を独占 ベスト盤『Love Collection 2』から感じた“変化”

 で、西野カナの場合は、“恋愛と孤独”というテーマから“女の子の人生”というテーマにシフトしたのではないかと思われます。同じラブソングでありながら、刹那に永遠を願う感性は消え、その恋をどう育むか、ひいてはどう歳を重ねるか、という視線が加わっています。最新シングル曲「Bedtime Story」では、“私”が主語として描かれるのではなく、とある“ふたり”の人生が第3者の視点で物語風に描かれています。少し気が強くて、相手を振り回したり、時に嵐と戦ったりしながら、大好きなものと共に生きていく女の子たちの夢。当然、これは恋に限らない人生の歌でもあるわけです。

 昔も今も“ラブソングの名手”と言われながら、内容はこれほど変わってきた。西野カナ、いい歳の重ね方をしているなぁと思います。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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