さくらしめじが語る、デュオとしての“これから” 「また一つ可能性が広がった」

さくらしめじ、デュオとしての“これから”

新たな一歩を踏み出せた曲になった(高田彪我) 

ーー(笑)。いい関係じゃないですか。で、そんなさくらしめじの2018年は、デュオとして大きな飛躍の年になったのではないでしょうか。4月には初となるアルバム『ハルシメジ』のリリースや初の日比谷野外音楽堂でのライブなどがありましたね。

ガク:ほんとに大きな意味のある1年だったよね。

ヒョウガ:そうですね。ファンの人と触れ合うことが特に多かった1年でした。

ガク:初めてのライブハウスツアーがあったりもしたので、ライブに対する気持ちがすごく変わった気がします。今までももちろん「頑張るぞ!」「楽しんでやるぞ!」っていう気持ちを持ってライブには臨んではいましたけど、今振り返るとその思いは純度100%じゃなかったんじゃないかなって思うことがあって。

ーー違った思いが混ざっていましたか。

ガク:例えばライブを進行する上での段取りを頭の中で考えていたり、「歌や演奏をミスっちゃいけないな」っていう緊張や不安があったり、ちょっとマイナスな感情がどこかしらにあったと思うんですよね。でも野音のライブを経た今の自分たちとして思うのは、やっぱり来てくださった方を100%楽しませなきゃいけないっていうことで。ってなると僕らの中に不安があったらやっぱりダメだと思うんです。だから最近のライブではワクワクする気持ちだけを持って臨むようになったんですよね。

ーーそれができるようになったのはきっと緊張や不安を吹き飛ばせるくらいの実力がついたからなんでしょうね。

2人:(目を合わせながら)どうなんですかねぇ(笑)。

ガク:そうであればうれしいですよね。さくらしめじのライブは僕らもみんなを楽しませたいし、逆にみんなに楽しませてもらってる部分も大きくて。そういう持ちつ持たれつな関係なので、これからもより良い関係を築いていきたいなって思います。

ヒョウガ:同じ曲であっても、お客さんを目の前にするとその日ごとに違った感情が生まれるものなんですよ。曲に対する根本の思いは変わらないですけど、そういう細かい変化がすごく楽しくって。だからこれからも純度100%の気持ちで、そのときにしかできないライブをしていきたいなって思いますね。

ガク:そうだね。そういう意味では、僕ら自身で変わったのではなく、支えてくれるお客さんみんなに変えてもらえたってことなのかもしれないです。

ーー大切なものは変わらず、でも日々進化していくさくらしめじ。そんな2人から今回、初となるEP『うたはつづくよどこまでも』が届けられました。

ガク:はい。初めての野音を含めたたくさんのライブを通して、みんなで作っていく時間の楽しさや、みんなで歌うことの楽しさにあらためて気づいたところがあったので、僕らはこれからもずっとずっと一緒に音楽をやっていきたいなっていう感情がすごく強くなったんです。その思いを今回のEPには込めたかったので、最初は「うたのわ」っていうタイトルにしていたんですよ。歌を通して生まれたみんなとの“輪”を、これからもどんどん大きくしていきたいなっていう願いを込めて。でも、タイトル決めの会議をしているときに、ヒョウガがボソッと言ったんですよね。「うたはつづくよどこまでも」って。

ヒョウガ:はい。両手で輪っかを作っていた時に、それが線路のように見えたんですよ。じゃあそこに歌という電車を走らせたら、それは山手線のようにどこまでもグルグル回っていくんじゃないかなって。結果それをタイトルにしてもらうことができたんです。ボソッと言っただけだったんで、拾ってもらえて良かった(笑)。

ガク:その電車はさくらしめじにもたとえられるじゃないですか。それがいいなと思ったんですよね。さくらしめじも、僕らの歌もみんなと一緒にどこまでも続いていくんだよっていう。いいタイトルになったと思いますね。

ーーEPには4曲が収録されています。リード曲となる「My Sunshine」はさくらしめじの新たな表情を感じさせてくれる1曲になっていますね。

ガク:はい。英語のタイトル自体が初だし、サウンドも今までになかったテイストになっていますね。2人とも高校3年生になりましたし、新しい姿を見せたいなって思ったんです。

ヒョウガ:最初に曲を聴いて、四つ打ちのビートがスッと体に入ってくる感じがあったし、僕らの新たな決意表明として気持ちをしっかり込められる曲になるんじゃないかなって思いました。

ガク:曲のメッセージにもちょっと変化はありますね。今までは聴いてくださる皆さんに寄り添って一緒に進んでいくよっていう曲が多かったんですけど、今回は僕たちが前に立って引っ張って、みんなを笑顔にするよっていう歌詞になってるんです。それはまさに、より力強いさくらしめじになろうっていう決意表明でもあるんですよね。

ーー歌に関してはどんなこだわりを注ぎましたか?

ガク:基本は力強く歌ったんですけど、サビの最後にある〈Hello,My Sunshine〉のところでは張りつめていた力がフッと抜けて、もやがかかっていた世界に光が差すようなイメージがあったので、そういう表現を心掛けましたね。ただただキラキラした歌にするのではなく、しっかりと歌詞に思いを乗せて歌うっていう部分では、ちょっと変化を感じてもらえるんじゃないかなって思います。

ヒョウガ:曲自体、今までにないテイストだったので、歌に関しても新しい表現ができるように工夫しました。今まではキーやピッチを大事にすることを一番に考えていましたけど、今回はまず感情を大切にして、歌詞の言葉ひとつひとつを大事に歌うことができたと思います。すごく勉強になったし、新たな一歩を踏み出せた曲になった気がしますね。

ガク:日常生活の中でちょっとイヤなことがあったときに、この曲を聴いて元気になってもらえたらほんとに嬉しい。この曲によって、もっともっとたくさんの笑顔が溢れる世界になってくれたらいいなって思います。

高田彪我

ーー本作のリリースを発表した時に、ヒョウガさんは「ちょっと変わったように思われるかもしれませんが」とコメントされていて。そこには新たなテイストの楽曲がどう受け入れられるかという不安もあったんでしょうか?

ヒョウガ:不安ではないんですけど、いろいろな受け取り方ができる曲でもあると思うので、「みなさんにどう届くんだろう?」っていう思いはありましたね。

ガク:新しいことにチャレンジしてみた結果、「なんか変わっちゃったな」っていう感想を抱かれることもあると思うんです。でもこの曲に関して言えば、新しいテイストではあるけど、それは今までの僕らの土台があってこそだと思うんですよね。さくらしめじとしての根本は何も変わらず、新境地に踏み出したっていう。そういう部分は聴いていただければきっとわかってもらえるんじゃないかなって思いますね。

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