築田行子が語る、ソロデビュー作で挑戦した表現の可能性 「色々な発見がある作品になった」

築田行子が語る、表現の可能性

自分の新しい面を表現するような作品になった 

築田行子 - 君とひこうき雲(Short Ver.)

ーーでは、そんなソロデビュー作について色々と聞かせてください。MVも公開されているリード曲の「君とひこうき雲」は、築田さんも一緒に歌詞を考えたんですよね。

築田:そうなんです。最初に曲をいただいて、そこから歌詞を考えたんですけど、実はその時点では既に別の歌詞が入っていて、浜辺を想像するような雰囲気の歌詞でした。

ーーとすると、完成版とは全然違う歌詞だったんですか?

築田:全然違いました。その雰囲気もすごく好きでしたし、ちょっとポップで、でも明るすぎなくて、「すごく心地いい曲だな」と思って。そこから別の歌詞を考えていきました。「これまでユニット活動(=音楽活動)を通して感じてきたことを書きたい」と思ったんです。

ーー実際、「君とひこうき雲」は、築田さんがこれまでの活動で経験してきたことや、そこで繋がった人たちへの感謝の気持ちが伝わってくる歌詞になっていると思いました。

築田:私、これまでもユニットのメンバーや、ファンのみなさん、周りの色んな人たちにすごく助けられてきたんですよ。本当にちょっと抜けているところがあって……(笑)。

ーーそういえば、この間もPPPやちく☆たむで活動を共にしている田村さんが、築田さんがうっかり衣装にご飯をこぼしてしまった写真をツイートしていましたね(笑)。

築田:そうなんです……(笑)。衣装が汚れないように配慮することに全然気がつかなくて。しかも、そういうときに限ってやっちゃうんですよ。最低ですよね……!!

ーーいえいえ、そういう人柄も、色んな方が築田さんのことを好きになる魅力のひとつになっているんじゃないかと思います。

築田:そう言ってもらえるとありがたいですけど、そこは自分としては肯定してこなかった部分なので、結構複雑な気持ちもあって……(笑)。だからこそ、私のそんな部分まで受け入れてくれる、みんなに本当に感謝しているんです。そこで、この感謝の気持ちを歌詞にしたいと思って考えていきました。私の場合、お仕事をしていて自分がいっぱいいっぱいになってしまうと、周りの人たちが助けてくれようとしていることにも気づけないことが多いんです。でもハッと気づいたときに、いつもみんながいたよ、ということを伝えたくて。自分のことがたくさん詰まった歌詞になったと思います。私は曲を自分のものにするまで時間がかかるんですけど、この曲はスッと歌うことができて、不思議な経験でした。

ーーただ感謝を伝えるだけではなくて、〈やわらかな温もり/君に/返したいんだ〉という言葉や〈今度は/私のばん〉という言葉が入っているのも印象的でした。

築田:みんながたくさん助けてくれたから、今度は自分も助けられる人になりたいな、って思うんです。……実は私、赤ちゃんの頃に病気をしていて、お医者さんからも「生きているのが奇跡です」って言われていたみたいで。それもあって、お母さんに「あなたは死んでもおかしくなかったんだから、誰かのためにならないとダメよ。人のためになれる人になりなさい」って、ずっと言われてきたんです。母親が「看護師になりなさい」と言っていたのも、きっとそういうことで。だから、恥ずかしくてあまり言えないんですけど……「誰かのためになれるような、誰かに楽しんでもらえるような仕事がしたい!」って、ずっと思っていて。

ーーめちゃくちゃいい話じゃないですか! だからこそ、〈今度は/私のばん〉なんですね。また、今回は他にも色々なタイプのものが収録されていて、築田さんのこれまでのイメージをいい意味で変えるような雰囲気の作品になっていると思いました。

築田:今回のCDでは、ソロデビュー作ということもあって、これまでとは違う「新しい自分」を見せたいと思っていたんです。だから、今までの自分とのギャップを見せられるといいなって。1曲目の「Flashback」は裏拍で乗ることが多い洋楽テイストの曲で、曲の中でも声域が低音から高音まですごく広い曲で。私は低音が苦手なので、そこも新しい挑戦になりました。

ーークールな曲だからこそ、低音も重要になってきますね。

築田:このクールな曲に、いかに入り込めるかを重視して歌っていきました。1曲目にこの曲を持ってきたのも、「今までのイメージを壊して、新しい自分を見せよう」という気持ちがあったからなんです。3曲目の「Woo hoo!!」もすごくアッパーな曲になりました。

ーー「Woo hoo!!」は「Flashback」と同じくクラブミュージックの要素が強い曲で、日本のガールズグループの人たちや、K-POPのアーティストに通じるような雰囲気ですね。

築田:いままでの自分と比べるとカッコいい雰囲気も入っていて、だけど明るくて、聴くと元気になれるような「イエーイ!」という雰囲気の曲になっていて。自分が今まで出してこなかった、テンションが高い雰囲気のものに挑戦できた曲になりました。

ーーそして4曲目の「Missing you」は、すごく切ないバラードになっています。

築田:PPPのアルバム『ぺパプ・イン・ザ・スカイ!』でも、フルルのソロ曲「やくそくのうた」は切ない歌でしたけど、そのときは切ない歌を、フンボルトペンギンの明るい声で歌っていて。今回の曲は自分の声で、切ない雰囲気を出しながらも、切なく歌いすぎないようにバランスを考えていきました。そして最後の「夕暮れ」は、JUDY AND MARYさんのカバーです。

ーー「夕暮れ」をカバーしようと思ったのはなぜだったんですか? この曲は1995年のシングル『ドキドキ』のカップリング曲ですね。

築田:打ち合わせのときに、「5曲のうち1曲はカバーにしよう」という話になって、今回のCDはちょうどクリスマスが近い時期に発売されるということでオススメしてもらったんです。可愛くて素敵な曲なので、この曲に決めました。ふわふわした雰囲気があって、歌うのもすごく楽しかったです。自然と自分の中にすごくスッと入ってきて、この曲のレコーディングも不思議な体験でした。

ーークールな曲からポップな曲、切ない曲、そしてカバー曲まで、本当に色々なタイプの曲が収録された作品になっていますね。『my palette』というタイトルにはどんな気持ちを込めたんですか?

築田:今回の収録曲は、どれも色が違うものになっていると思うんです。今まで見せてきたものとは違う、新しい色がたくさん入っていて、私にとっても色々な発見がある作品になって。たとえば、「Flashback」のようなクールな曲が歌えることも発見でした。この曲は、プロデュースをしてくださったCarlos K.さんが、私の声を聴いて作ってくださった曲なんです。そうやって色んな曲が入ることになったので、「palette」という言葉を入れたいと思いました。

ーー自分のパレットに新しい色をたくさん乗せて、それを見てもらいたい、と。

築田:そうですね。ソロアーティストとしての最初の作品にも合うと思ったし、ここに「これからも色んな色を乗せていきたい」と思っているんです。自分の可能性が、自分が思っていなかった形にも色々と広がって、自分の新しい面を表現するような作品になったと思います。

ーー今回の作品はまさに、築田さんの可能性を広げてくれるような作品になったんですね。これから、何か挑戦してみたいことはありますか?

築田:何でもいいんですか? 

ーー何でもいいですよ!

築田:お仕事じゃなくても? うーん……。地球一周……!!

ーーちょっと待ってください。予想外の答えでした(笑)。

築田:オーロラが見たいんです。寒いのが苦手だから怖いんですけど……。でも、「いつかオーロラが見たい。色んなところに行きたいな」って(笑)。

ーーははははは。でも、今回の作品の雰囲気にも繋がっている話かもしれませんね。

築田:色んなところに行けば、また新しい世界が広がると思うので(笑)。今回の『my palette』では、新しい自分を色々と見せることができたので、これからも色んなことに挑戦したいです。そして、たくさんの方に歌を聴いてもらえるように、頑張っていきたいと思っています。

(取材・文=杉山仁/写真=林直幸/ヘアメイク=梶田晴香/スタイリスト:加藤由紀子(Age Global Networks))

■リリース情報
『my palette』
発売:2018年11 月28 日(水)
初回限定盤(CD+DVD):¥3,000(税抜)
通常盤:¥2,000(税抜)
プロデュース:Carlos K.
[収録曲]
1.     Flashback
作詞:Ayaka Miyake
作曲:Carlos K. / JOE
編曲:JOE
コーラス:Ayaka Miyake

2. 君とひこうき雲
作詞:築田行子 / PA-NON
作曲:浦島健太 / 山本匠
編曲:浦島健太 / 山本匠
コーラス:Ayaka Miyake

3. Woo hoo!!
作詞:nana hatori
作曲:Carlos K. / 鈴木エレカ
編曲:Carlos K.
コーラス:鈴木エレカ

4. Missing you
作詞 / 作曲:Carlos K. / Rikopin
編曲:Carlos K.
コーラス:Ayaka Miyake

5. 夕暮れ(JUDY AND MARYのカバー)
作詞 / 作曲:TAKUYA
編曲:JOE
 
DVD
1. 君とひこうき雲 Music Video
2. 君とひこうき雲 Behind the Scenes

・配信情報
iTunes、レコチョクほか主要DLサイト、Apple Music、LINE MUSICほか主要サブスクリプションサービスにて11/28(水)より配信スタート

■ライブ情報
『築田行子初ワンマンLIVE ~チクタク行く子、遅れてきた生誕祭~』
2月11日(月・祝)六本木 morph-tokyo

■リリースイベント
イベント内容
ミニライブ+特典お渡し会

イベント日時・会場
①タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
2018年12月9日(日)19:00スタート
②タワーレコード渋谷店4F
2018年12月16日(日)19:00スタート
詳細はこちら

■LINELIVE特番
『築田行子 ソロデビュー記念特番「my palette」』
2018年11月28日(水) 20:00〜21:00
事前試聴予約はこちら

築田行子 スペシャルサイト

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