BRIAN SHINSEKAI「三角形のミュージック」で迎えた“大胆な変化” 初披露のステージを見て

BRIAN SHINSEKAIが迎えた大胆な変化

 この日何よりも印象的だったのは、冒頭に披露された「三角形のミュージック」が、その後立て続けに披露されたこれまでの代表曲2曲と並べても、最もフィジカルに訴えかける魅力を持った「問答無用でライブ映えする」楽曲だということ。これまでどこかプロデューサー気質が前面に出ていた印象もあるBRIAN SHINSEKAIとしての過去曲に対して、この楽曲にはライブならではのエナジーやグルーブ、そしてディスコならではの華やかさがストレートに宿り、観客の熱気を加えてこそ完成するような開かれた雰囲気が感じられる。今の彼がメジャーに所属し、アルバムを発表し、より広い世界へ足を踏み出しつつあることを考えると、この曲は自分の世界により多くの人々、リスナーを巻き込んでいくための楽曲でもあるのかもしれない。そう考えると、この曲がライブで初披露され、悪天候の中でもオーディエンスを沸かせていったのは、とても意味のある出来事だったように思える。

 おそらく「三角形のミュージック」は、アルバム『Entrée』を経てより広い世界へと足を踏み出しつつあるBRIAN SHINSEKAIの「さらに多くの人を巻き込みたい」という気持ちが込められた楽曲だ。キャリア史上最もキャッチーで華やかなこの曲が加わったことで、もともと横断的だった彼の音楽性や世界観が、ここからさらに広がっていく可能性も十分に考えられる。これからどんな楽曲がリリースされるのか、そしてどんな形で披露されるのか。今後の活動への期待も煽るような、プロジェクトの新章をうかがわせる楽曲と言えそうだ。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■リリース情報
『三角形のミュージック』
発売:2018年10月24日
配信限定
配信サイト
Spotify

■関連リンク
BRIAN SHINSEKAI - 東京ラビリンス ft. フルカワユタカ MV
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オフィシャルサイト

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