吉岡聖恵、阿部真央、鈴木このみ……節目の時期を迎えた女性アーティストの新作

藍井エイル『アイリス』(通常盤)

 6月にリリースされたシングル『流星 / 約束』で活動再開。8月16日の日本武道館ワンマンライブで完全復活を強く印象付けた藍井エイル。大人気アニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(TOKYO MXほか)のエンディングテーマとして注目を集めているニューシングルの表題曲「アイリス」は、彼女のシンガーとしての高いポテンシャルを改めて証明する楽曲だ。ラテンの香りを感じさせるメロディに豊かな感情を与えるとともに、ロック的なダイナミズムを加えながら、〈支えてくれたその腕に/甘えてみてもいいかな〉という切実なフレーズへと結びつけるボーカル力は、まさに絶品。LiSAと並び、現在のシーンのなかで、もっとも強烈なカタルシスを生み出せるシンガーであることは間違いないだろう。

藍井エイル「アイリス」MV

鈴木このみ『蒼の彼方』(通常盤)

 一瞬のブレスの後、最初に聴こえてくるのは〈世界の果ての色が 何色かわかったよ〉というフレーズ。心地よいスピード感に溢れたサウンド、希望に向かって走るような爽快なメロディライン、そして、未来に対するポジティブな思いを込めた歌詞がひとつになったこの曲は、彼女自身のイメージにぴったりと寄り添っている。TVアニメ『LOST SONG』(TOKYO MXほか)の主人公・リン役で本格的な声優デビューを飾るなど、活動の幅を広げている鈴木このみのニューシングル『蒼の彼方』(TVアニメ『ソラとウミのアイダ』(TOKYO MXほか)エンディングテーマ)は、凛とした意志とキュートな佇まいが真っ直ぐに伝わってくるアップチューン。15才でデビューしてから約6年。彼女はいま、シンガーとしての個性をしっかりと手にしつつあるようだ。

鈴木このみ「蒼の彼方」MV(TV size)

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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