でんぱ組.inc 夢眠ねむ、グループ卒業と芸能界引退へ “美しい終わり方”にむかう一貫した姿勢

 芸能界引退後は、キャラクター・たぬきゅんのプロデュースと書店開店を目指して活動していくことを明らかにしている夢眠ねむ。MV監督スミスとの映像制作ユニット“スミネム”などにも見られたように、プロデューサー的な資質も持ちながら活動してきた作り手としての能力が発揮されていくことになるようだ。表舞台から退いても彼女の表現活動にふれることができるのは、ファンにとってもうれしい知らせである。

 2018年は特に、アイドルグルーブの解散や人気メンバーの卒業が相次いでいる。そのスタイルは千差万別で、時にはファンが心の準備を整える時間もないまま別れの時を迎えることも。しかし、夢眠ねむは少しずつ卒業に向けた歩みを進め、今後もソロライブや武道館公演以外にもでんぱ組.incとしてのライブを予定しており、アイドルとしての活動期間に余裕を持った上で卒業と引退を発表。“終わり”の理由についても丁寧に自身の言葉で説明しており、ファンはもちろん、これまで応援してきたすべての人たちへの真摯な姿勢を感じ取ることができた。そのことについて小山氏も「しっかりお別れする期間、情熱を傾けられる機会と時間があるのはありがたい」と感慨深く語る。今回のケースは、アイドルのセルフプロデュースについて考える上でも一つのロールモデルとなるような、“美しい終わり方”であるように感じた。

(文=久蔵千恵)

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