Ken Yokoyamaが語るバンドの意識改革とセルフコンピレーションの真意「ずっと曲は生き続ける」

Ken Yokoyama、バンドへの思い

歌い継いでいけば、あの時の彼らの想いは人前から消えない(Ken) 

一一はい。脱退が決まった時点でこの作品はすでに完成していたそうですね。このセルフコンピレーションは、どういうアイデアから?

Ken:ずっとやりたかったんだけど、今回はJunちゃんが言い始めたこと。

Jun:そう。それこそ俺が10年くらい前に加入した頃から、Kenはすでに「(コンピ提供曲などを)そのうち集めて一枚の盤にしたいんだよね」って言ってて。ただずっと「まだ今じゃない」状態だったの。で、今回NAMBA69とのスプリットがあって、時期的にいえば『Sentimental Trash』出して3年近く経ってるから、年内くらいにフルアルバムにいけたら美しいんだけど。でも現状、Kenは昨年ずっとハイスタに時間を取られてたから新曲もたいしてなくて、「じゃあ今でしょ?」って。それで来年にフルとかいけたらいいなって。

一一結果的に、過去のどの作品よりも尺の長いアルバムができました。

Ken:ははは! なんと50分弱!

Matchan:僕は一番参加してる曲が少ないんで、けっこう新鮮な気持ちで聴けましたね。あぁ、こういう曲もあったんだって改めて思い出したり……なんなら「Going South」とかネットで聴いてましたからね(一同笑)。

一一懐かしい。これはMinamiさんが加入した時のツアーお披露目曲。

Minami:そう、半分冗談みたいな曲で。まさか今これをライブでやることになるとは思わなかった(笑)。あと意外なのも多くて。わりかし初期に録音したHüsker Düの曲とか新鮮だった。たぶん今「なんかカバーしよう」って言っても、まず候補に上がってこない曲だと思う。

一一ええ。こんなKEN BANDの表情もあるんだってドキドキしました。

Ken:あ、そう? 『The Cost of My Freedom』ツアーをやった時に、まだアルバム一枚しかないから曲数が足りなくて。それでStiff Little FingersとHüsker Düのカバーを一曲ずつやってたの。で、その直後に別のレコーデイングがあったから、ついでに録ってしまおうっていう感じで。それがずっと残ってて、いつか出そう、いつか出そうと思ってた。

一一新録の中でも3曲はカバーですけど、この選曲は?

Ken:GUNS ‘N’ WANKERSの「Nervous」は、まぁ俺がこの曲すごく好きで、たまにライブでやってて。でも音源にもなってない、あんまし知られてないバンドの曲をやっても反応は薄くて、これ猛烈にいい曲だから今回レコーデイングしてみんなに認知してもらおうと。あとNO USE FOR A NAMEの「Soulmate」は、いずれ機会があったら絶対録ろうって言ってたもので。この曲に関しては、演者がいる限り曲は死なないっていう想いがあるかな。彼らはもういないけども、特に俺とかMinamiちゃんにとっては一緒に切磋琢磨してたシーンのバンドだから。彼らが活動してた証を殺さないためにも歌い継ぐ……って言うとおこがましいけど。

一一でも、誰かがやらないと、どんな名曲もなかったことになってしまう。

Ken:そうなの! それは俺、HUSKING BEEの「WALK」をやった時も、ハイスタの「STAY GOLD」をやった時もずっと感じてたこと。ハイスタの曲を初めてKEN BANDで鳴らした時はハイスタ活動停止中で。

一一サージ(初代ベース)が抜けるツアーのサプライズでしたよね。

Ken:そう。周りには驚かれたし、最初は飛び道具ではあったけど。でもやってるうちに「あ、Hi-STANDARDは動かないけど、この曲は死なないな」って思えた。サージが抜けるタイミングでやり始めたことはきっかけでしかなくて、やっぱり根底には曲を殺したくないっていう思いがあったんだと思う。HUSKING BEEの「WALK」もそう。当時彼らは解散してたけど、俺らが歌い継いでいけば、あの時の彼らの想いは人前から消えないだろうなって。

一一そして今回、もうひとつのカバーが「Brand New Cadillac」。

Ken:これはチバくんと。The Birthdayと対バンすることが最近多くて。よく「Pressure Drop」でチバくんが出てきて歌ってくれるんだけど、それがすごく心地よくて。で、あるときMinamiちゃんが「他になんかやりたい曲ないんすかね?」って言ったんだよね。俺たちとチバくんの共通項ってThe Clashのような気がしたから「The Clashで他にカバーするとして、他になんかある?」「うーん、これもカバーだけど『Brand New Cadillac』とかやりたいかなぁ」って。もう「はいっ!じゃあ録りましょう!」と。

一一(原曲の)ヴィンス・テイラーというよりThe Clashのカバーなんですね。それにしても、なぜゲストボーカルでやろうと?

Ken:いや、チバくんが好きだからじゃない?

Matchan:それしかないですよね(笑)。

Ken:もともと「誰かゲストを招いて一曲録ろう」みたいな発想ではなかった。チバくんと対バンして、何度かやるうちに「Pressure Drop」一緒にやるようになって、それが続いていって……(嬉しそうに)まぁそうやって“好き”を育む時間がいっぱいあって。

一一はははははははは!

Ken:気持ち悪いね(爆笑)。まぁ“好き”を育む時間があって、やっとこう、「Brand New Cadillac」でお付き合いさせていただいた感じ。最初の対バンが2013年で、結局あれから5年、こうやって形にできるっていうのは……音楽続けてて良かったなぁって思う。ドラマもロマンもあるよなぁって自分でもすごく思うかな。

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