THE RAMPAGE、1stアルバムが表現する“個性と進化” 対称的な2枚組のコンセプトを紐解く

THE RAMPAGE、1stアルバムレビュー

 もう1枚の「Uptown Side」は、より挑戦的あるいは実験的なアプローチが採られた楽曲を収録しており、今後のTHE RAMPAGEの進化を占う作風となっている。

 2000年代以降、再評価されるようになったディスコミュージックを、THE RAMPAGE流に表現した1曲目「Dirty Disco」は、煌びやかさとクールさが同居した絶妙なバランスの楽曲で、あらゆるダンスミュージックをものにしようとする野心が伺える楽曲だ。続く「DREAM YELL」はミドルテンポのグルーヴが心地良いチルウェイブ調の楽曲で、THE RAMPAGEの爽やかな一面を垣間見ることができる。くぐもったサウンドがユニークなシンセのサウンドと軽快なビートが印象的な3曲目「Can't Say Goodbye」では、ボーカリストの3人もリラックスした歌声を披露。4曲目「Over」は、片思いの切なさを歌ったナンバーで、柔らかく語りかけるような歌い回しがむしろ新鮮だ。

 「Uptown Side」の中盤、「ELEVATION」からはアップテンポなナンバーが続くが、やはりハードさを打ち出すのではなく、様々な方向性からTHE RAMPAGEの魅力を多面的に見せている。7曲目「Dream On」は、いわゆるビッグルーム系EDMの展開を踏まえた楽曲で、疾走感のあるトップラインが爽快な仕上がり。「BREAKING THE ICE」や「Shangri-La」では、さらにBPMを上げて、多幸感のあるサウンドを響かせている。そして、ラストを飾る「Only One」は、流麗なピアノのフレーズをドラマチックなストリングスが彩る、王道のバラードソングに。ボーカル3人、それぞれの歌声をもっとも純粋に味わえる楽曲で、その瑞々しさの中に宿る青春の煌めきに思わず胸が熱くなる。

 THE RAMPAGEのスタイルを伝えるDisc1「Downtown Side」と、その表現の幅広さを伝えるDisc2「Uptown Side」。EXILE TRIBEが築き上げてきた方法論を、さらに刷新するような音楽性は、EXILE TRIBEのファンのみならず、幅広いダンスミュージックリスナーにとって興味深いものといえるだろう。パフォーマーを含めて全16人という大所帯のインパクトや、47都道府県を回った全国ツアーによって、広くその名を知られつつあるTHE RAMPAGEだが、その1stアルバムもまた、大いに語られる作品となっていくに違いない。

(文=松田広宣)

『THE RAMPAGE』

■リリース情報
『THE RAMPAGE』
9月12日(水)
2CD+2DVD:¥8,618(税込)
※初回仕様:三方背ケース+フォトブック(200P)
2CD+2BD:¥9,698(税込)
※初回仕様:三方背ケース+フォトブック(200P)
2CD+DVD:¥5,378(税込)
2CD+BD:¥5,918(税込)
2CD:¥3,780(税込)
<CD収録内容>
2CD※5形態共通
DISC-1:「Downtown Side」
DISC-2:「Uptown Side」
・Lightning
・GO ON THE RAMPAGE
・ELEVATION
・FRONTIERS
・Knocking Knocking
・Dirty Disco
・Shangri-La
・100degrees
・Can‘t Say Goodbye
・DREAM YELL
・Fandango
・The Typhoon Eye
・Dream On
・HARD HIT
・BREAKING THE ICE
・SWAG IT OUT
・LA FIESTA
ほか 2枚組全20曲収録 ※曲順未定

<DVD・Blu-ray Disc>
Music Video & Document Disc※映像付4形態共通
Music Video(全7曲収録)
・Lightning
・FRONTIERS
・Dirty Disco
・100degrees
・Fandango
・HARD HIT
・LA FIESTA

Document
グループ結成から4年に渡りメンバーに密着したドキュメンタリー映像(100分)

<Live Disc>※2CD+2DVD、2CD+2BD形態のみ
『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2017-2018 “GO ON THE RAMPAGE”東京公演・NHKホールライブ映像(分数未定)』

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