欅坂46は今、“21人の絆”から変化するとき 菅井友香&守屋茜の本音から感じたこと

 菅井の発言は、キャプテンという立場上、自分の思いを押し殺して、直面している現実を受け入れ、みんなに前へ進むことを促している。もともと菅井は平手不在の『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』で、グループに対する危機感から「欅坂を終わらせたくない」「今までの私たちとは違います。私たちを信じてください」などという力強い言葉を口にしていた。早い段階から欅坂が生き残るための変化を受け入れていたように思う。一方で、メンバーの本当の思いを代弁するかのような守屋の発言。建前と本音ではないが、この2人の絶妙なバランスの言葉で、いまの欅坂の思いや葛藤が充分に伝わってきた。

 以前、秋元康がラジオ番組『今日は一日”秋元康ソング”三昧2018』(NHK FM)で「欅坂はアンバランスでバラバラ、でもこのバラバラさが面白い」と分析していたが、このバラバラなものを繋ぎ止めていたのが、21人の絆という言葉だったのではないだろうか。そこに変化が生じることを怖いと思うのは当然である。

 2人がキャプテンと副キャプテンに就任した直後にSHOWROOMで所信表明をした際、「チームワーク抜群のグループ」「いい意味で変わらないグループ」「一人ひとりが輝けるグループ」という3つのスローガンを掲げていた。そんな欅坂にすべてを捧げてきた守屋が、テレビを通して「ずっと21人が良かった。それは甘えなのかな」と発言したことは非常に重い。グループを冷静に見ている守屋が、周りも薄々感じていたことをハッキリと言葉にしたことで、メンバーだけでなく、ファンが欅坂に求めている“こだわり”を考え直すときが来たようにも思う。

 最後に菅井は「もっともっと欅坂46が大きくなって、いつか先輩みたいにドームツアーとかできるように頑張りたいなってすごく思う。それぐらい大きくなりたいな」と目標を掲げた。そのためには、個人の成長も重要になってくるだろう。菅井と守屋は『ザンビ』プロジェクト第一弾で、舞台に初挑戦することがすでに発表されている。いままでグループのために頑張ってきた2人が、新しいことに挑むことで、彼女たち自身の成長に繋がるだけでなく、きっとグループへの新しい導きにもなるだろう。

(文=本 手)

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