欅坂46 平手友梨奈、“響”が巡りあわせたチームとの一体感 『ANN』SP放送を聞いて

 番組後半には監督を務めた月川翔もブースに登場。平手との初対面の印象として「あまり長いスパンで何かをする人ではない」と感じたことや、クランクインまではとにかく大変で、撮影出来ないかと思うほどヒリついた日もあったことを明かした。実際、平手も「自分のせいでみんなに迷惑をかけるかもしれないから、インする一週間前くらいまでは本当に悩んだ」と言っていたように、映画出演は時間をかけて慎重に決めたようだが、月川監督は「『響 -HIBIKI-』は平手のほかには代役がいないから、平手がやらないと言ったらやらなかった映画だった」と言い切っていた。

 原作を知っている人やすでに映画を観た人ならわかることだと思うが、響という強烈な少女は年齢や背格好が似ているというだけで誰もが演じられる役柄ではない。「“平手友梨奈”として生きている時は常に緊張しているけれど、“響”でいる時は全く緊張せず楽だった」という平手の発言からもわかるように、演じるというよりは心身ともに響になりきって、もっと言えば響の人生を受け持って撮影に挑んでいたからこそ、原作からかけ離れることなく響というキャラクターをスクリーンに投影することができたのだろう。「憑依型」という安易な言葉でまとめたくない気持ちはあるが、平手のパフォーマンスや表現の仕方にそういった特徴があることはすでに多くの人が知っている事実であり、だからこそ周りは響という難しい役柄を平手に託したのかもしれない。

 番組終盤、映画を撮り終えての感想として平手は「一番思ったのは、良い出会いをさせていただいたなって感覚があって。映画って監督の次に演者がいるので、一緒に作っていく感じじゃないのかなと思っていたけれど、チーム感がすごくあった」と語っていた。今回のANNを聴いて改めて『響 -HIBIKI-』は良い雰囲気の中で制作された作品であるということ、そして関わった人たち全員が響というキャラクターに対して深い理解と愛情を持って撮影に臨んだことが伝わってきて、早くも続編への期待が湧き上がってきた。また、この映画での経験が今後の平手や欅坂46としての活動にどのような影響を与えていくのかという点でも、まだまだ『響 -HIBIKI-』の波は広がっていきそうだ。

■渡邉満理奈
1991年生まれ。rockin’on.com、Real SoundなどのWEB媒体を中心にコラム/レビュー/ライブレポートを執筆。趣味は読書でビートたけし好き。

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